プロダクトデザイナー 喜多俊之展
西宮市大谷記念美術館|兵庫県
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心地よさ、楽しさと伝統と
こちらの大谷記念美術館はいつも、時間のたつのを忘れてしまうほどの美しい庭園のながめを一つの楽しみに訪れるのですが、今回の展示では、ロビーに設けられた赤いソファが、既に喜多俊之さんの作品〈SARUYAMA〉となっており、入館まもなく早速わくわく感をくすぐられる仕様となっていました。連れの者は少し小高い位置に寝そべるような姿勢を試すなどして、互いに思わず笑みが。喜多さんの意図された我々の遊び心の部分がちゃんと刺激される実感がありました。
二畳結界の展示…この展示は、一度で良いから膝や腰を下ろしてみたい、この中で大きく深呼吸して瞑想をしてみたいと思いました。レプリカでよいので、いつか来館者向けにお試しの空間を作っていただけないでしょうか。椅子の試座空間も大変素敵でしたので…。
さて展示にはどれも温かみがあり、食器、家具、家電…と思わず手に取ってみたくなりそうな気持ちを抑えつつ、これを使う風景はどんなだろう、と自分の日常動作をあらためて振り返ってみるなどし、計算されたデザインの中にひそむ創り手のやさしさも想像もされるのでした。
楽しみにしていた和紙のランプシェードは、自部屋にも是非取り入れたいと思う風合い、暖かみでした。今回ワークショップは参加の機会が合いませんでしたが、和紙の持つ強さや柔らかさ・演出の力を教えていただきました。
ビデオの上映は、もしこれから行かれる方はぜひご覧になっていただきたいと思います。さりげなく折りたたみ椅子も手掛けられた作品、喜多さんのお話が作品鑑賞をとても楽しくさせてくれました。
観覧後に珈琲“大谷ブレンド”も美味しく頂き、庭園の水辺に遊んでいる野鳥や季節の花を見ながら庭を一回り、静かで心地よい時間を過ごせました。
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- BY yukinoshita