特別企画展「雪村とその時代」
大和文華館|奈良県
開催期間: ~
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一緒に両手を広げて思いっきり上を向き大声で叫びたくなる『呂洞賓図』
会期末に滑り込みです。
コロナが落ち着いてきた頃合いを待って伸ばし伸ばしになってしまった。
大和文華館は美術館の建物も環境も大好きな美術館で、伺うたびに広いお庭も楽しみにしています。
大和文華館の所蔵品の中でも何点かお気に入りの作品があり、それが掛かると会いに行きたくなる。
「雪村周継」の展覧会と言えば、2017年に関西ではMIHO美で大きな展覧会が開催され、遥々と出かけていき、その時のブログも読み返しました。
雪村は、室町時代後期から戦国時代に東国で活躍した画僧で、とても長生きでした。
辻惟雄先生は「日本絵画史上最初に誕生した奇想の画家」と位置付け、
熊倉功夫館長は「戦国時代に優れた美術品が東国にあり、一つの文化圏が自立していた。雪村の背景には、その様な鎌倉・小田原で触れた美術品から学んだ背景があった。」と話されておりました。
そして大和文華館蔵の『呂洞賓図』は、雪村の代表作と言える。
60代後半から70代の奥州滞在期、雪村芸術の絶頂期に描かれました。かなり晩年に絶頂期が訪れています。
この作品の背景を知らなくても作品は人を惹きつけてしまいます。
この度改めて静かな展示室でじっくり対峙して、
何とも複雑な表情の竜頭に乗り、強い風を受けて流れから飛び出していたんだ!と、空中でない、特有の波頭表現があるではないかと。
大和文華館の解説はとても丁寧ですし、「ペキペキ」とか「ポキポキ」とか表現されるキャプションがいつも分かりやすく面白く感じています。
京博で近世絵画の大きな展覧会を仕掛けられた山本英男先生の特別講演会とこちらもお話がとても興味深かった泉万理先生の日曜日術講座があったことに気づき聴講できなかった事とても残念に思いました。
雪村も住んだ福島の三春、大和文華館には三春の見事な桜があります。
春、桜の咲くころまた伺いたい。
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- BY morinousagisan