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2021年コレクション展 I

2021年コレクション展 I

兵庫県立美術館|兵庫県

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頴川さん、ええもんもってはったんやと まとめて寄贈されたコレクションに感謝。

県美「2021年コレクション展 I」のうち
4月24日から常設展示室6で<小企画>「頴川コレクション 梅舒適コレクション受贈記念展」が開かれています。
https://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/j_2102/egawa.html

春季展示は5月30日まで、書画を展示替えして後期は6月1日-7月4日まで
2つのコレクションを県美が受贈したことのお披露目の展覧会となっています。

頴川コレクションは、幸福銀行の社長で、頴川家4代頴川徳助(1899-1976)が蒐集した日本美術を中心としたコレクションです。
その多くは昭和48年(1973)11月に開館した頴川美術館に受け継がれました。
この頴川美術館は阪急甲東園の駅から関西学院大学へ上がっていく道のすぐつきあたりにありました。
この頴川美術館が、運営母体の財団が解散して平成31年3月に閉館となりました。創業家が美術館のあった兵庫県にコレクションを残したいという意向から兵庫県立美術館へ寄贈が決まりました。内訳は重要文化財4件、重要美術品4件を含む約250件の美術品等・・・
この美術品”等”とは何が含まれているのでしょう、少し気になります。

と、以上は展示室入り口にある小企画展の特別図録(無料)から引用しました。
兵庫県立美術館の前身は近代美術館であったことからも、近代以前の美術品のコレクションは見たことがないような。
お披露目ということもあり、前後期に分けて頴川コレクションの代表的な美術品は揃って展示されそうです。

前期展示、どれもこれも結構凄いので、驚きました!

茶道具と言えば来歴ですね
《肩衝茶入 銘 勢高》(大名物、重要美術品)
住吉屋山岡宗無が所持していたものが、織田信長に渡り、本能寺の変の前日に開かれた茶会で使われていた道具の一つ。
本能寺の変の中から救い出され、豊臣秀吉に献上され、古田織部、徳川家康へと。江戸の明暦の大火で再び罹災するも救い出されて
今わたくしたちの目の前にあるという代物です。「大名物」から多くの茶会記にも登場し、多くの茶人に愛でられてきた茶碗です。

《赤楽茶碗 銘 無一物》(中興名物 重要文化財)
樂家初代長次郎の赤樂茶碗です。カセていると見えるのは、解説によれば「赤土に透明釉がかけられているが、経年のため全体がかせている。」と書かれています。経年でカセタのですね。
箱書き、内箱蓋表に「無一物(むいちもつ)」と仙叟宗室の書付、仙叟宗室は、宗旦の子、千家4代で裏千家初代家元です。
その後松平不昧の所持となった来歴を持ちます。不昧公のお目にもかなった茶碗です。

光悦の《黒樂茶碗  銘水翁》ノンコウも感じさせる?ノンコウが光悦の影響を受けていたのか。光沢のありつるりとして、かたちもまるく柔らか。手にそっておさまりがいいような。

その上には光悦《和漢朗詠抄断簡》がかかっておりました。

入って早々にやられた感じでした。
伝牧谿、伝馬遠、伝能阿弥、という名が並び、土佐光起の屏風、池大雅の文人画、応挙の鯉、森狙仙の猿・・・橋本雅邦、上手い!と今更ながら思いました。

頴川さんいっぱいええもんお持ちやったんやなぁと思い、このコレクションが散逸せずまとまって公立の美術館に寄贈されたことに感謝でした。

後期展示も楽しみです。

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