
未来へつなぐ陶芸 伝統工芸のチカラ展
パナソニック汐留美術館|東京都
開催期間: ~
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想像して楽しんだ伝統工芸たち
現在に息づく伝統工芸を堪能できました。
昔の技術をさらに発展させていく様子が解説され、わかりやすくよかったです。
第1章で伝統工芸の確立期の作品紹介。
板谷波山など、私でも名前を知っている作家の作品が見られる。
松井康成の練上嘯裂文大壺は、何度見ても不思議な技術だと思った。茨城県陶芸美術館で、様々な松井作品を見て感動したことを思い出す。
富本憲吉や浜田庄司は小説「リーチ先生」(原田マハ)で興味を持っていたので、作品が見られて嬉しい。
第2章は伝統工芸のわざと美ということで、伝統技術を身に着け発展させたことがわかる展示。
そして第3章で未来へつなぐ伝統工芸作品を紹介。わりと新しい作品(2021年の作品まで)あり、現代の作品を鑑賞できた。
気になった作品は以下の通りです。
・志野茶垸(荒川豊蔵)
・瀬戸黒茶垸(荒川豊蔵)
二つ並んで展示されてるのですが、白茶碗を見てやはり白に抹茶は映えるなと思うが、すぐ隣の黒茶碗で、黒にも抹茶が映えると思ってしまう。
もちろん抹茶が注がれているわけではないのに、手に取った時の器から伝わるお茶の温度を想像し感じられました。
・青瓷線彫紋平鉢(中島宏) 水紋を器にしたような鉢。
・白釉稜線鉢(岡田優)「山々から吹き降ろす風が舞い上がる様子」を表現。触ってみたくなる。
・染付金魚鉢(小枝真人)内側に大きな金魚が描かれており、水を入れたら金魚が泳いでいるように見えそう。
・緑釉花器(鈴木徹)竹を竹以外を使って表現したらこんな器になるのではと思う。
・金銀彩水差 泳ぐ月(高橋朋子)おしゃれでモダンなお茶会ででてきそう。抹茶の前にクッキーがでてくるようなお茶席を想像する。
・鉢「紅白鮮斜陽‐1907‐」(増原嘉央理)北欧の絵本を思わせるデザイン。
・国描鳥花文鉢(米田和)内側の吸い込まれそうな黒と外側のやさしい白のコントラストが美しい。
作品を見て、口に入れたらこんな味がするのでは、と想像したものが多々ありました。鑑賞の仕方としては正しいのかわかりませんが、見ていて楽しかったです。
・練込志野縄文花器(岡部嶺男) かぶきあげのような見た目で美味しそう。
・彩釉器(田島正仁)黒・紫・白のグラデーションが美しく、つるんとした黒糖味の飴を想像した。
・無名異鉢(伊藤栄傑) ヨックモックのような薄いクッキー。
・黒白彩流文花器(清水潮)アイスミルクコーヒーを思わせる色と質感。
・光輪文黒器(浜岡満明)栗饅頭のような和菓子。
・黒彩器‐相‐(渋谷栄一)ようかんを思わせる。
国立近代美術館工芸館が金沢へ移転しまって以降、なかなか工芸を鑑賞する機会がなく寂しく思っていたので、この機会は嬉しかったです。
作る側ではないので技術の素晴らしさは理解できていないと思いますが、日常に取り入れるならここに飾ろうとか、この料理をのせてみたいなど、想像するのが楽しかったです。
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