韓国美術の玉手箱―国立中央博物館の所蔵品をむかえて―
東京国立博物館|東京都
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日本初公開15件を含む日韓交流の集大成―出展数は少ないながらも、まさに玉手箱!!
「日本と韓国の歴史・文化は、互いに深く関わりあいながら発展してきました。両館(東京国立博物館と韓国国立中央博物館)は、それぞれを代表する国立博物館として、相互理解を一層深めるため2002年に学術交流協定を結び、以来20年以上にわたって、研究員の相互派遣や共同調査、作品の相互貸借など多様な交流を積み重ねてきました。本展は、その成果の一つとして、両館が所蔵する珠玉の22件によって韓国美術の精華が披露されます。」とありました。何しろ日本の文化として知られるものの多くは、もともと古代に渡来民によりもたらされ、特に陶漆芸や仏教美術などは長く韓国中国に学びつつ、少しずつ我が国なりの発展がなされて来た訳で、今展はそんな流れをじっくり感じながら見させて頂きました。
たしか2020年に平成館企画展示室で「朝鮮王朝の宮廷文化」なる展示を見たのを思い出しました。
特別展がないトーハクは、修学旅行か課外学習の学生や、外国からの方々ばかりです。皆さん一生懸命鑑賞されているのですが、少々賑やかです。今展は本館二階階段脇両側の特別展示室なので、皆さん外回りをぐるっと回られて、近世が閉室中なこともあり、ちょっぴり目立たない部屋でもあります。出展数は少ないものの、なかなか貴重な資料や工芸が見られます。また、解説と写真入りの小冊子(数量限定/無料)があり、ちょっと感激です。メインビジュアルの《観音菩薩坐像(高句麗時代/韓国国立中央博物館)》立体としてはとても珍しい遊戯坐姿勢の、ちょっと躍動感やアクティブな印象で親しみやすく、韓国の仏としてはややぽっちゃり顔で優し気で、黄金色も完璧に残る美しい像です。見惚れてしまいます。この像の体内納入品の数々も展示されていました。この手の名品仏像をもう数点、期待してしまっていたのですが、残念でした。その他の仏画や経文の類は、私の様な者にはちょっと分かりかねます。金銀器と青磁類はなかなか良いものでした。特に《青磁牡丹唐草文唾壺(高句麗時代/韓国国立中央博物館)》の美しいフォルムと翡翠色の文様が印象的でした。青磁好きの私としては大満足でした。《青銅金鼓(高句麗時代/トーハク所蔵品)》には見てもよく分からないのですが、亡き妻を供養する内容や、鋳造に関わった人々などの銘が刻まれているとのこと。日本で今もややある手元供養が、当時の韓国の地位のある方々は、こんなこともされたのだなと、感心してしまいました。またこれを作った名工さんはなかなかの方で、将来とても出世されたとか‥。朝鮮王朝時代の宮廷儀礼のもようを描いたものは、もとは八曲屏風としてつくられたとか。あくまでも資料に近いものとして描かれたものなのでしょう、洛中洛外図屏風のような、小さいけれど仕草や表情や衣装の違いが楽しめる、様なものではないのですが、共装束の豆粒ほどの人々が、整然と右向け右のように並ぶ様子は、ちょっと笑ってしまいました。儒教道徳や儀礼の徹底のために描き残されたもので、笑ってはいけませんですね。そういえばこれを見て6年前の「朝鮮王朝の宮廷文化」展の時も、《宮廷儀式図屏風(19C)》を見たのを思い出しました。最後に、団領や紗帽はじめ、大礼服チョグイ、美しい刺繍が目いっぱい施された婚礼服のファロッ(もともと宮中女官の礼服が19世紀以降は一般の婚礼服として許可された)などなど、とても素晴らしく、布好きな私としては、とても楽しく拝見しました。大きな七宝の簪や眼鏡ケースに粧刀などの鮮やかでめちゃめちゃ奇麗でしたが、こちらはトーハクさんの所蔵でした。こういうの、きっと結構沢山持っていらっしゃるに違いないですよね。時々展示はされるのでしょうが、見逃さないように、もっとコマーシャルして頂きたいななどと思ってしまいました。