特別展「小泉八雲―怪談とフォークロリストのまなざし―」
大阪歴史博物館|大阪府
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へるん先生のたらふく
学生時代同じゼミの子とハーン旧居に行ったことがあるので懐かしくなって応募したらチケットが当たった。朝ドラの影響か思ったよりお客さんいた。
キャプションがわかりやすかった。ハーンのことをあまり知らなくても、生い立ちや各国への遍歴、日本へ来た経緯などがわかりやすく理解できる。ハーンがクレオール料理のレシピ本を出しているなんて知らなかった。
彼のメンタリティについても、キリスト教への馴染めなさ、精霊、妖怪などの多神教的世界への興味、という流れがわかりやすく掴めた。ハーンは様々な土地で民話、習俗を丹念に採集していた。柳田國男の民俗学の仕事はハーンの死後に始まるので、日本におけるハーンの存在は破格だったんだと思う。日本の地にやってきてハーンはたらふく民話、習俗を採集できて幸せだっただろうなと思った。
が、わかりやすすぎた。ハーンにとって特別な土地、松江が丁寧に追われていたのはわかる。また、旅行しただけの大阪にけっこうな展示スペースが割かれていたのも、大阪の博物館の展覧会だからしょうがない。しかし、松江の次に住んだ熊本の展示が少なすぎた。美しい松江で憧れの日本に出会ったハーンと、軍事色の強かった熊本でその幻想を破られたという対比が前面化されていた。
もしかしてこれってドラマでそう描かれていたのか?と思い、朝ドラ大好きな母に聞いてみたところ(私は「ばけばけ」を全く観ていなくて先月に放送終了していたのすら知らなかった)、
「熊本はあんまり馴染めなかったみたいで、いい小説が書けなくて、スランプになっている場面だったよ! 熊本は好きではなかったみたいだよ。ロケでも熊本の風景とか出なかったよ! 熊本は3年ぐらいしかいなかったみたい。」(一部改稿)
と返ってきた。
「松江が1年くらい、神戸が2年くらい、東京が9年くらいだから、熊本は2番目にハーンが長くいた土地なんだよ」
と返信してお礼を言った。
熊本時代が今回の「怪談とフォークロリストのまなざし」というテーマに合わなかったのか、資料が集まらなかったのかはわからないが、1つの展覧会で作家を全部知れたと満足してはいけないんだなと思った。
チケット当選で浮いた1,600円を、「小泉八雲蔵書票風シイル」と山王美術館のルノワール展に回せた。ありがたいありがたい。