テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた 90s 英国アート
国立新美術館|東京都
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物議醸し大好きな90年代イギリスの息吹
1990年代のYBAのセンセーション。やりすぎで悪趣味、常識破りで挑発的、そんな表現が街中どこかしらに点在する当時のイギリスの時代感・世相を反映したムーブメントのように思います。音楽ではオアシスvsブラーの戦い(商業的ののしり合いも含め)、映画ではお尻丸出しのフルモンティ、等々。この「controversial 物議を醸す」精神を受容し楽しむ価値観は、日本の文化とはかなり異質に感じます。
今回Teteから来日の作品群は約100点。YBAを代表する、即ち現在のブリティッシュ・アート界の重鎮の錚々たる顔ぶれで、これは嬉しい。一方で、作品自体は、毒性少なめ、日本人にも食しやすい味付けに感じます。これは、かれこれ30年の歳月を経て、観る側の毒気慣れも一因でしょうが。
とはいえ、6章立ての全編を、中だるみなく一気見した快感あり。
まず冒頭から、フランシス・ベーコンの真っ赤な大画面3枚のドローイングがインパクト多大。時代・ジャンル違い?と思いつつ、本作は1988年制作らしく、YBA前史のエピローグとして気持ちがはやります。
そのすぐ奥には、YBAのリーダー格であるダミアン・ハーストのガラス入り作品が置かれ、いきなり真打登場。これ、面白い作品ではありますが、どうせならハーストの代名詞であるホルマリン漬の作品を持ってこれなかったのかなあ、との思いもよぎります。
そして、ギルバート&ジョージの「目」の大作、ジュリアン・オピーのグラフィック、トレイシー・エミンの性体験語り、等々の有名作家が続く。
特筆したいのは、コーネリア・パーカー作≪コールド・ダーク・マター》。暗い一室を充てて、爆発による分解の一瞬を捉えたイメージのインスタレーションです。暴力・惨事を、客観的に物質的現象としてレイアウトする冷徹さは、無音・無言にして雄弁です。
そして、最後を飾るのが、ファミマの約1万円の買物レシート。レシート自体は最近の(東京の)ものですが、1999年制作の立派な「作品」です。これにて終了、このハズシ感がYBA的で清々しく、アッパレ。
現代アートですので映像作品も多いです。特設室での上映作品は4つ。内1作は約1時間の長編にて、チラ見のみ。作家の基準作的な位置づけにある2作品、トレイシー・エミン≪なぜ私はダンサーにならなかったのか≫(6分32秒)、スティーヴ・マックイーン≪熊Bear≫(9分)はしっかり見ました。
爽快な愉しさ、が鑑賞後の感想です。不快な思い無し・・・おそらくこれは、YBAのど真ん中ではない周辺散歩の印象なのだと自覚しています。
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