開館30周年記念 未来/追想 千葉市美術館と現代美術
千葉市美術館|千葉県
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本質を見抜く美術家の感性を体感した。
作品を鑑賞後、美術家が炭鉱のカナリアといわれることを思い出しました。
その1つが田中敦子氏の円と曲線で表現された作品です。田中氏の絵画からは、インターネットによるネットワークで世界中が常時つながっている現代を予測しているように映りました。
絵画を通じて社会課題を発信して鑑賞者に何かを問いかけるのも美術の役割だと思います。
河口龍夫氏の鉛に種子を包んだ作品からは、放射線を通さない鉛と人間と見立てた種子を使って原発に対する自身の考えが伝わってきました。また、「陸と海」という写真では時間とともに陸地と水面が変化していることがわかります。この作品から状況によってものごとの是非を訴えようとしていたのではないかと思いました。
河原温氏のtodayシリーズは何度も目にしたことがあります。そのたびに時間というものは何かと考えさせられます。日付を記しただけのシンプルな作品は一見すると絵画として認められるものかと疑問を抱きたくなります。しかし、その時間を生きたことを記録するという作者の意思が感じられました。
辰野登恵子氏のストライプやグリッドを使ったドローイングからは、同じものが反復していながらも、そこには何か差異があることを伝えたかったのではないでしょうか。同省圧力や多様性といった相反するフレーズを盛んに耳にする現代をどう生きるのかを考えさせらる作品でした。
多くの者に対して、見えないものや感じないものをいち早く察知して絵画として世に知らせるアートの力をあらためて感じる展覧会でした。
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- BY reisefuhrer