アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦
東京国立近代美術館|東京都
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描くという行為から画家の意図を読み解く
1950年代にフランスで流行したアンフォルメという抽象絵画。何を描くかよりもどう描くかが問われると同時にジェンダーを問わない風潮は女性画家にとっては追い風と思われた。しかし、アクションペインティングという豪快さや強さを含んだ絵画が主流になると、女性画家の活躍には陰りが見られるようになった。
この展覧会の作品からは、美術界の流れに異議を感じた女性画家の心情が読み取れた。作品を観ただけではそれが何を描いているのかを理解することは難しかった。しかし、絵画が完成するまでのプロセス、作品そのものよりも作成の行為から女性の視点から見た社会に対して訴えのようなものを感じた。
たとえば、アルミニウムを折り曲げたような多田美波の周波数という作品。工業化が進展する一方で、大切な何かが失われているのではないかと主張しているように感じた。
多田氏の変電所や田部光子氏のピンポン玉とアイロンを使ってひまわりを描いたものなど描かれた対象がわかる作品もあった。前者は灰色が基調で後者はひまわりと聞いて連想するような明るさを感じないものだった。
女性画家たちは作品を通じて自身の内面に抱えている思いを訴えたかったのではないかと感じた。作品そのものでなく画家が描く行為や試行錯誤、またなぜそれを行ったのかというプロセスを鑑賞者が読み解くいて自分なりに仮設を立てることにこの展覧会の醍醐味があるのではないかと感じた、会場に置いてある14枚の冊子を読みながら鑑賞するのもおすすめ。
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- BY reisefuhrer