
特別展「大正の夢 秘密の銘仙ものがたり」
神戸ファッション美術館|兵庫県
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銘仙の夢
神戸ファッション美術館は六甲ライナーに乗っていくのが楽しい。この日は生憎のド曇天だったが、海の上を島に向かって走っていくのは爽快だった。
和服というと落ち着いた古風なイメージだが、銘仙は柄が大胆に大きく色鮮やかで、和服のイメージを覆すものだった。和柄というと、桜、梅、鶴……などが思い浮かぶが、今回展示してあった銘仙は、そういった定番の柄を超えて、孔雀、烏瓜、チューリップ、トビウオ、桃といったフルーツなど、様々な景物が柄としてあしらわれていて、当時の女性たちがどれを身に着けようか楽しげに選んでいる様子が想像された。
そして、銘仙の柄は様々な芸術潮流を反映していた。上に述べた孔雀はアール・ヌーヴォーの影響だし、ロシア・アヴァンギャルドを取れ入れた柄もあった。前衛的な芸術運動は芸術史において、芸術とは何か、それは本当に芸術なのか、という葛藤を引き起こすものだと思うが、そういった葛藤を超越して柄にしてしまう銘仙に、ファッションの懐の深さというかしたたかさというかを感じた。
また、展示の仕方も、マネキンに着せて帯を締め、帯留めをつけ、小物を持たせてフルコーディネートしてあるものや、広げて展示してあるものがあり、銘仙をいろいろな見方で楽しむことができてよかった。
今回チケットが当たったので、そこそこ予習していったし、鑑賞後も銘仙を織る動画を見たりしたが、まだ織りや染めについてよく分からない。もっと着物について知りたくなった。
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- morinousagisanさん