ウィーン・スタイル ビーダーマイヤーと世紀末 生活のデザイン、ウィーン・劇場都市便り
パナソニック汐留美術館|東京都
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ウィーンの風に吹かれて─時代を動かした女性たちの美意識
本展は、ウィーンの生活文化が花開いた二つの時代─19世紀前半のビーダーマイヤー様式と20世紀初頭の世紀末を通して、工芸とデザインの美意識を体感できる魅力的な展覧会でした。銀器や陶磁器、家具などの実用的な作品に加え、詩的で装飾的な造形が空間全体に調和し、ウィーン・スタイルの奥深さを感じることができました。
特に印象的だったのは、女性インフルエンサーやデザイナーたちに焦点を当てた展示構成。ウィーン世紀末の文化を牽引した女性たちの活躍が丁寧に紹介されており、芸術と社会に与えた影響の大きさを改めて実感しました。中でも、フェリーチェ・リックス(上野リチ)の作品-「七宝飾箱:馬のサーカスⅠ」は見逃せません。ウィーン工房で活躍し、後に京都に拠点を移した彼女の七宝飾箱には、遊び心と洗練が共存しており、ウィーン・スタイルが日本にまで息づいていることを感じさせてくれました。
また、もう一人の立役者であるアルマ・マーラーの肖像画(オスカー・ココシュカ作、国立西洋美術館蔵)は写実的ではないが、彼女の内面を美しいとも恐ろしいとも見える表現されたその姿は、《モナ・リザ》を意識した構図で鋭く圧巻でした。彼女の存在感と画家の情熱が伝わる貴重な作品に出会えたことは、非常に印象深い体験でした。
全体を通して、過去と現在が響き合う空間に身を置くことで、芸術と暮らしの豊かさを再発見できる展覧会でした。ウィーンの風がそっと吹き抜けるような、心に残るひとときでした。
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