
PARALLEL MODE : オディロン・ルドン―光の夢、影の輝き
パナソニック汐留美術館|東京都
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モノクロームから色彩の世界へ
1840年南フランスのボルドーで生まれたルドン。
同じ年に生まれたのは、あまりにも有名な印象派の画家、クロード・モネ。
展覧会タイトルの「光の夢、影の輝き」から、彼も印象派と思われそうだが、
印象派を毛嫌いしており、象徴主義に分類される。
入ってすぐに驚かされる。
「ダブル・プロフィル」
手前に黒の、それに重なって後ろに白の、ふたつの横顔のモノクロームの肖像画。
内面・外面、2面性を表たのか、光もしくは影から逆をみているのか、
どう受け取っていいのかわからないから惹きつけられる。
黒一色でここまで奥行きを出せるのか。
前半の木炭画や石版画の黒の世界は、
ガリバー旅行記のようなスケールがチグハグな世界に入り込んだ印象を受ける。
20歳の頃に出会った植物学者アルマン・クラヴォーの影響で、顕微鏡下の世界に魅せられるようになったのが、創作のきっかけになったらしい。
どの絵も画角の中におさまっているのは景色の一部で、みえていない部分も感じられる。
彼の中には確かな物語りがあって、一部を切り取って意図的に描いているのだと思う。
みていてすごく幸せを感じる類ではないのだけど、目が離せなくなる。
用いているのは黒なのだけど、羊皮紙など質感が異なる様々な紙に描いているので表情が異なるのも、鑑賞に集中力を要す。
後半は、パステルなどを用いた明るい作品が続く。
目には明るくみえるけれど、内容が明るいかはまた別で、
展覧会のメイングラフィックになっている「神秘的な対話」はどう解釈していいのかわからない。
このふたりは対等には見えないし、
神秘的→不思議で計り知れないさま がその通りなら、わからないままの方が美しいのではと受け取った。
アネモネなど、花の静物画には癒しを感じた。
他の作品が強烈だっただけに、花はすごく美しく映った。
約110点の作品の作品は、パナソニック汐留美術館のサイズに対してかなりボリュームがあり、程よい疲労感があった。
※ぐるっとパスで鑑賞
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- BY berryberry