寺山修司展 ―世田谷文学館コレクション展 2024年度後期―
世田谷文学館|東京都
開催期間: ~
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旅路の果て
セタビで北川民次展見た後、次にやって来たのがセタブン。
いつもは京王線蘆花公園駅から徒歩で南下して来るのだが、今回は初の北上ルート。すなわち、セタビからバスで千歳船橋へ、そこで乗り換えて蘆花恒春園バス停で降り徒歩でセタブンまでという難解な道のり。ほんと、ネット検索様様で有難い時代です。
セタブンは過去何度か来てて、前回が「あしたのジョー展」だからほぼ4年ぶりです。
今回は寺山修司で、またジョーつながりかいと思われるかもしれませんが、私にとっての寺山は短歌でも演劇でもボクシングでもなく、競馬です。
20代の頃に貪るように読んだのが彼の競馬エッセイで、同時代を生きていた現役馬も登場したりするのでほんとに面白く、趣味と実益(を兼ねてたかは疑問ですが)両面からタメになるエッセイでした。
しかし今回展にそれはなく、ほとんどが演劇や映画関連の展示で、しかも台本とかポスターとか雑誌とか原稿とか書簡ばかりで懐かしい人にはたまらないシロモノなんでしょうが、私にはほとんど響きませんでした。
唯一、彼が主催した力石徹のリング葬の新聞(だったか雑誌だったかの)記事は懐かしかったです。
会場も1階の狭いフロアだけだったので20分程度で見終えました。ここの企画展は2階が主会場でスペース的にはそっちでやるのが普通なんだけど、今回はちとガッカリでした。
ただ、展示密度は結構詰め込まれており、天井桟敷関連の舞台や映画を見ていた方は豊富な資料を満喫されたんじゃないでしょうか。
客は少なかったのですが、驚いたのはいずれも20代ぐらいの若い方ばかりだったこと。皆さん寺山修司なんて知ってるのかとまったく不思議で、その理由は何かを考えてみるに、たぶん、彼が書いた小説「あゝ、荒野」が原作の映画を見たからじゃないでしょうか。
私はその映画を見てませんが、主役の菅田将暉の演技が凄まじかったのは伺えます。
寺山の短歌は『マッチ擦するつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや』しか知らなかった私、会場の奥に天井から垂れ下がった大きな布に一首ずつ書かれた他の短歌を読んでどれもいいなあと思いました。
『 海を知らぬ 少女の前に 麦藁帽のわれは 両手をひろげていたり 』
『 かくれんぼの 鬼とかれざるまま老いて 誰を探しに来る 村祭り 』
『 ふるさとの 訛りなくせし友といて モカ珈琲は かくまで苦し 』
歌集でもあれば買ってみようかなと会場出てショップを覗いてみました。
あったのは「あゝ、荒野」の文庫本だけでした。