ロベール・ドアノー写真展
FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)|東京都
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コンパクトで満足度の高い写真展でした
ロベール・ドアノー展 第一部・第二部
よかったです。第一部から二部を通して商業カメラマンとして社会へ適合していった成長具合がよくわかった。第一部の初期の頃のよりも第二部は明らかに被写体との距離が物理的にも心理的にも近くなっていた。被写体の表情や心情がちゃんと写ってる。ルノー退職の要因が遅刻と言われているのも実はカラー写真の現像を夜な夜な研究していたかららしくて、ドアノーさんはとても真面目な職人気質だったんだなと思う。
第一部は黎明期の作品。街中のスナップ写真というには遠いけれど俯瞰図でもない、不思議な距離感の写真が多かった。今でいうパリ13区の外、WW1過ぎまで城壁があった労働者階級の街Gentilly(ジャンティイ)出身だそうで、住み慣れた街の住人達だろうはずなのにちょっと距離を感じるのは、ドアノーさんが内気な人だったから、というのが内輪話でした。その距離感ゆえドラマチックさはないけれど、被写体の方々はなんとなく視線を感じながら撮られていたんだろうなと撮影時のパリ郊外を想像させてくれて面白かった。
第二部はドアノーさんが30代後半~40代の仕事盛りの作品が中心。パリ市庁舎前の恋人、原題は永遠の3秒のキスも観れた。WW2のパリを解放するために進駐したアメリカ兵が街中で公然とキスをするカップルが多いことに驚いていたことから、アメリカ雑誌LIFEで戦後の自由の象徴としてモチーフにしたんだとか。現実には3秒でも、写真に撮られ紙に印刷された写真はたしかに永遠に刻まれる。写真の力と可能性を感じた。
二部構成両方鑑賞することが出来てとてもよかった。
12月26日まで無料でやっているので、東京ミッドタウンお近くに寄られたら是非。
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