4.0
その上を歩くことで深く鑑賞できる作品もある
カール・アンドレの作品はその上を歩いて鑑賞できるらしい、と聞いて、見に行く気になりました。とまあ、桜の季節の川村記念美術館へ。
カール・アンドレはミニマル・アートを代表する彫刻家。この個展の直前に88歳で亡くなっている。たぶん、訃報とこの個展が開催されることを同時に知ったような気がする。
会場に入るときに、作品リストをもらって、いくつか注意事項を聞く。曰く、作品にはその上を歩くことができるものと、そうでないものがある。作品の上を歩くことは出来るが触ってはいけません。歩くことの出来る作品は■、出来ない作品は□で示してあります、などなど。
会場に入ると、普段は展示のためにある壁はない。広々としたところに、シンプルで大きめの作品が配置されている。ミニマル・アートと言うよりは、もの派という印象。そして、いくつかの作品はその上を歩いて鑑賞できる。さらに靴を脱ぐ必要もない。歩いてみると、ギシギシと音がするし、ただ床の上に鉄板が置いてあるだけだと分かる。そして、鉄板それぞれが微妙に大きさが違っていて、きれいに並んでいるけど、そこそこ隙間がある、というのが緩くていい感じです。個人的には美術館の床が傷だらけになりそうなのが気になるけど、どうなんでしょう。
タイトルにある「詩」の方は、よく分かりませんでした。タイプライターで作られた作品がいくつか展示されていて、なんとなく視覚に訴えるものがあるのですが、意味がすぐには分からないので、後ほど図録で見てみよう、としました。そしてタイトルにある「その間」もまだ分からないままです。図録は表紙にエンボス加工して、カール・アンドレの作品のベルジャンブルー・ライムストーンの色とテクスチャーをうまく表してます。お値段は通販価格5280円のところ、ミュージアムショップ価格は3740円と特別価格で、つい購入してしまった。
ちなみに、川村記念美術館では、まず90作品はあるコレクションの展示を見てから、企画展を見るように順路が決められている。コレクションから選ばれた作品は、印象派から始まって、途中、ちょっと時代を戻ってレンブラントの自画像を見て、徐々に近代から現代の作品へと進んでいく。今回は途中に「20世紀の彫刻:金属を素材とした作品より」として、ロダンから始まる近代・現代彫刻を概観できるようになっている。一応、美術史的な一連の… Read More