4.0
布の多彩なデザインを見たり触ったりして楽しむ
テキスタイル・デザイナーの須藤玲子とそのデザインスタジオ「NUNO」の作品紹介の展示です。布というか、テキスタイルについてはあまり知らないのですが、様々な布で作ったこいのぼりが、水戸芸術館で泳ぎ回っていると聞いて興味が湧きました。
でまあ、水戸芸術館に到着したら、早速こいのぼりが目に入った。水戸芸術館には大きな広場があるのですが、その奥でこいのぼりが26匹泳いでました。これか、と思って、とりあえず目的は達した気になって会場に入ったわけですが、そうは問屋が卸さなかった。
展示の構成は444種類の布を貼り合わせて幕にしたパッチワークと、その幕に囲まれた中に、古布を配置したところから始まり、NUNOが制作した様々な布のサンプルにさわれる展示、その布の制作現場を見せるインスタレーションがあって、最後の部屋で大量のこいのぼりが泳いでました。爽快です。
展示の工夫もいろいろあった。例えば布のサンプルを見せるところでは、布の説明板を布をめくって見るようにしていて、布の手触りを感じながら解説を読むように誘導している。そのおかげで、和紙から化学素材まで、様々な素材を、国内にある職人さん達と共同開発してきた過程が、そこそこ伝わってきました。
香港で開催されたのが2019年。2023年に丸亀市の猪熊弦一郎現代美術館へ巡回して、そして水戸芸術館にやってきた。開催されるたびに話題になっていた展示をやっと拝見できて楽しかったですよ。撮影可です。