5.0
布をみる目が変わりました
布の実物に触れられる、ということもあり、子どもと一緒に訪ねてみました。
まず、量に圧倒されました。何枚かではなく、何十枚も自由に触れることができました。
日常生活で見慣れている平面的な布とは違った、立体を感じさせる不思議な感触にひきこまれました。
さらに、生産過程の映像や展示を通して、「さっき触れた、あの布は、こうしてつくられているのか」と答え合わせができる感覚があり、大人も子どもも、興味深く観ました。
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テキスタイルデザイナー須藤玲子と、須藤が率いるテキスタイルデザイン・スタジオ「NUNO」の活動を紹介します。
日本の伝統的な染織技術と現代の先端技術を組み合わせ、従来にない素材をテキスタイルに取り入れ、また産業の持続可能性にも目を向けるなど、テキスタイルデザインの分野において、NUNOは世界の第一線を走り続けてきました。
本展では、日本各地の職人、工場との協働作業や、素材の可能性を広げるその取り組みについて、普段は見ることのできない布づくりの舞台裏を豊富な資料やマルチメディア・インスタレーションで展観します。NUNOの活動を包括的に伝える展示内容に加え、当館の空間を活かした大型インスタレーションを展開し、見る人の楽しい気持ちや好奇心をくすぐる、テキスタイルのもつ多彩な可能性に注目します。
本展「須藤玲子:NUNOの布づくり」は、2019年に香港のCHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)で企画・開催され、その後ヨーロッパ各地を巡回しました。日本国内では丸亀市猪熊弦一郎現代美術館に次いで、須藤とゆかりのある茨城県の水戸芸術館現代美術ギャラリーへと巡回します。
◆ 須藤玲子
1953年茨城県石岡市生まれ。1984年以来、テキスタイルデザイン・スタジオNUNOのデザインディレクターを務める。
日本の伝統的な染織技術と最先端の製造技術を融合し、絹・手漉き和紙のスリット・ヤーンや熱可塑性プラスチックといった異素材を組み合わせた独創的なテキスタイルを探究してきた。これまでに手掛けた布は3,000点に及ぶ。
2008年より良品計画、山形県鶴岡織物工業共同組合、株式会社アズほかのデザインアドバイスを手がける。毎日デザイン賞、ロスコー賞、JID部門賞等受賞。2023年には、伝統に根ざしながら独創的な芸術を創造する芸術家を顕彰する「円空大賞」を受賞し、岐阜県美術館で大規模なインスタレーションを発表した。国立新美術館、岐阜県美術館、茨城県近代美術館ほか国内の展示多数。また、その作品はニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、ビクトリア&アルバート博物館、東京国立近代美術館ほかに収蔵されている。
会期 | 2024年2月17日(土)~2024年5月6日(月・振) |
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会場 | 水戸芸術館 現代美術ギャラリー Google Map |
展示室 | 水戸芸術館 現代美術ギャラリー、広場 |
住所 | 茨城県水戸市五軒町1-6-8 |
時間 |
10:00~18:00
|
休館日 |
月曜日 ※祝日の場合は翌火曜日 |
観覧料 | 一般 900円 団体(20名以上)700円 高校生以下・70歳以上、障害者手帳などをお持ちの方と付き添いの方1名は無料
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TEL | 029-227-8111 |
URL | https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5252.html |
5.0
布の実物に触れられる、ということもあり、子どもと一緒に訪ねてみました。
まず、量に圧倒されました。何枚かではなく、何十枚も自由に触れることができました。
日常生活で見慣れている平面的な布とは違った、立体を感じさせる不思議な感触にひきこまれました。
さらに、生産過程の映像や展示を通して、「さっき触れた、あの布は、こうしてつくられているのか」と答え合わせができる感覚があり、大人も子どもも、興味深く観ました。
4.0
テキスタイル・デザイナーの須藤玲子とそのデザインスタジオ「NUNO」の作品紹介の展示です。布というか、テキスタイルについてはあまり知らないのですが、様々な布で作ったこいのぼりが、水戸芸術館で泳ぎ回っていると聞いて興味が湧きました。
でまあ、水戸芸術館に到着したら、早速こいのぼりが目に入った。水戸芸術館には大きな広場があるのですが、その奥でこいのぼりが26匹泳いでました。これか、と思って、とりあえず目的は達した気になって会場に入ったわけですが、そうは問屋が卸さなかった。
展示の構成は444種類の布を貼り合わせて幕にしたパッチワークと、その幕に囲まれた中に、古布を配置したところから始まり、NUNOが制作した様々な布のサンプルにさわれる展示、その布の制作現場を見せるインスタレーションがあって、最後の部屋で大量のこいのぼりが泳いでました。爽快です。
展示の工夫もいろいろあった。例えば布のサンプルを見せるところでは、布の説明板を布をめくって見るようにしていて、布の手触りを感じながら解説を読むように誘導している。そのおかげで、和紙から化学素材まで、様々な素材を、国内にある職人さん達と共同開発してきた過程が、そこそこ伝わってきました。
香港で開催されたのが2019年。2023年に丸亀市の猪熊弦一郎現代美術館へ巡回して、そして水戸芸術館にやってきた。開催されるたびに話題になっていた展示をやっと拝見できて楽しかったですよ。撮影可です。
4.0
住まいが近く、現代美術ギャラリーの展示は毎回拝見している。
チョイスがいつも秀逸で、事前に勉強せずに訪れるとむしろエモーショナルな感動を与えてくれる気がする。
今回もポスターを見て、布に関する展示とだけ理解して訪問した。
入り口の階段を昇ると、いつもと入口への導線が異なる。ここ数回の展示と異なり、逆方向で進んでゆく設定のようだ。
「布づくり」とだけあって、製作・製法を基準に置いた作品のつくり方である。しかしさすがは芸術館、前半はその部屋にマッチしたデザインの壁掛けやカーテンを(もちろん作品として)設えてあったり、ハッとさせられる壮大な展示も後半に多くあり、美術展示として面白い構成になっていた。
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