5.0
青が美しい作品群
「村居正之の世界―歴史を刻む 悠久の青―」@智さくら美術館
村居氏の「ギリシャ・シリーズ」の展示。
青で描かれる、写真かと思うくらいの精密さと、実写ではないことを示す青い闇と月明かりの静謐が同居する美しい古代遺跡の作品群。実に日本画らしい深い青。
建築物を白でくっきりと描く作品群は、少し対象物をデフォルメしたようなかわいらしさがあります。
西洋画と比べると、遠近感的奥行きはないように感じるのに、観ているとずっと、不思議な奥行きを感じます。それは何かとずっと考えながら観ていたのですが、きっと絵画の青や白が鑑賞者に染み込んでくる広がりなのでは?と思いました。
と、書いておいてなんですが、私は青くも白くもない、メテオラ修道院を描いた「雨」という作品の色彩・バランスが一番好みでした。
ギリシャ・シリーズ以外の氏の絵も観てみたくなりました。