5.0
優しく暖かい世界に包まれる
ネットで見た展覧会のチラシで、ぐっと心を掴まれて、見に行きました。カラーリングも、絵のやわらかさも、どこか内面の深さを感じさせたり、そして現代的でポップで、という全体としての雰囲気が素晴らしかったです。なんといっても、最初から作家の世界に引き込まれました。そして、それはとても優しく、暖かいものでした。
美術館・展覧会情報サイト アートアジェンダ - 日本全国 296 の美術館・博物館と 645 の開催中&開催予定の展覧会をご紹介中!
工藤麻紀子(1978-)は、青森県に生まれ、2002年に女子美術大学油画科を卒業。2014年から5年間平塚市内にアトリエをかまえ、現在まで個展を中心に活動しています。大学在学中より注目され、現代の絵画表現を紹介するグループ展でも継続的に取り上げられるなど、日本のアートシーンを語るうえで欠かせない画家のひとりに数えられます。
工藤は色面による構成と装飾的な表現により、日常の生活を題材にした心象風景を描き続けています。デビュー当初は鮮やかな色彩とポップなイメージを強調した作風で脚光を浴びました。視点を混在させた構図やコラージュのようなモチーフの配置など、画面の構成力には卓越した技術があり、マティスやボナールに通じる色彩と装飾性を兼ね備えた作品は国際的にも高く評価されています。
身近な出来事に対する思いを作品に投影させる描き方は初期から一貫したものです。その画面には普段の生活で見聞きしたもの、住む土地や記憶が一体となって、夢の中のような混沌とした風景が広がっています。それと同時に、作品を見る人にとって、記憶にある風景や出来事を呼び覚ます、親密さとストーリー性も有しています。
このような作品を実際にじっくりと見れば、現代の絵画表現に馴染みのない人にとっても、イメージの中に身をゆだねる楽しさや発見をともなう体験となることでしょう。本展は国内美術館における工藤の初個展となり、新作とインスタレーション作品を含む約120点により現在までの活動を紹介します。
会期 | 2022年7月9日(土)~2022年9月11日(日) |
---|---|
会場 |
平塚市美術館
![]() |
住所 | 神奈川県平塚市西八幡1-3-3 |
時間 | 9:30~17:00 (最終入場時間 16:30) |
休館日 |
月曜日 ※ただし休日の場合は開館し、翌日休館 |
観覧料 | 一般 800円 高大生 500円
|
TEL | 0463-35-2111 |
URL | http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/ |
割引券 | http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/info3.html |
5.0
ネットで見た展覧会のチラシで、ぐっと心を掴まれて、見に行きました。カラーリングも、絵のやわらかさも、どこか内面の深さを感じさせたり、そして現代的でポップで、という全体としての雰囲気が素晴らしかったです。なんといっても、最初から作家の世界に引き込まれました。そして、それはとても優しく、暖かいものでした。
4.0
平塚市美術館はいつも空いているなと思いながら入館。
展示作品には説明書きがないので目録を片手に鑑賞。
どこか懐かしさを感じながら、ほっこりするような色合いで溢れている。
リアルさや写実的な表現は薄く、見る側のノスタルジーに訴えかけている感じだ。
そして、これはいいなぁ、と思った作品の所蔵先を見ると高橋龍太郎氏が所蔵している。
稀代の現代美術コレクターだけあって見る目があるなぁ、思いつつ美術館をあとに
するのだった。
あと、平塚市美術館はこういった外部作品の展覧会の時はグッズ展開がないのが
ちょっと不満。ポストカードの1、2枚位置いてくれと切に願うのだった。
4.0
描かれた人物が少女マンガ的で絵としてはあんまりピンとこないのですが、70点ある作品を眺めていると、なんとなく慣れてきて、例えば谷内六郎とかを思い出しておりました。そして、色彩的にはボナールっぽいなと見ていたら、多少は楽しくなりました。
実は絵画より、絵に出てくる女の子や動物などのキャラクターを木彫で作ったものを、組み合わせたインスタレーションが面白かった。絵より違和感がないのは、あくまでも個人的な感覚なんだろう、とは思いますが。
ちなみに同時開催の「気になる!大好き!これなぁに?こどもたちのセレクション」はとても面白い。平塚市美術館のコレクションの鑑賞ツアーで子どもたちが、それぞれの作品にどういった反応を示したか分析した展示です。作品の横に、その作品を見たときの反応とその子どもの年齢が記載されていて、そこそこ興味深い。NPO法人赤ちゃんからのアートフレンドシップ協会が協力してます。
あなたも感想・評価を投稿してみませんか?
感想・評価を投稿する
より詳しい鑑賞レポート 《600文字以上》のご投稿は、
こちらから。ページ枠でご紹介となります。
鑑賞レポート《600文字以上》を投稿する
周辺で開催中の展覧会も探してみて下さい。
神奈川県で開催中の展覧会
工藤麻紀子《空気に生まれかわる》2020 年、棟田響氏蔵
Photo by Kenji Takahashi ©Makiko Kudo, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
工藤麻紀子《春から夏の思い出》2021 年、OKETA COLLECTION
Photo by Kenji Takahashi ©Makiko Kudo, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
工藤麻紀子《菜の花ラーメン》2020 年、タグチアートコレクション
Photo by Kenji Takahashi ©Makiko Kudo, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
工藤麻紀子《もうすぐ衣替え》2003 年、高橋龍太郎コレクション
Photo by Shigeo Muto ©Makiko Kudo, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
工藤麻紀子《彗星》2014 年、作家蔵
Photo by Kei Okano ©Makiko Kudo, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
工藤麻紀子《迷子か家出かポケモンかもしれない》2019 年、作家蔵
Photo by Kenji Takahashi ©Makiko Kudo, Courtesy of Tomio Koyama Gallery