この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
パンデミック、災害、戦争―私たちは今どこにいて、どこに向かっているのでしょうか。現在を見極めるために過去や歴史を見直し、そこから学ぶことが今、必要とされているのではないでしょうか。
海外でも高く評価される戦国時代の甲冑は、戦の防具であると同時に、武将の力と誉を象徴するものでもありました。大陸から伝えられた甲冑は、武士階級が台頭した平安時代末期頃から大鎧や胴丸によって構成される形に変化し、日本において独自の美学的発展を遂げました。特に鎌倉時代以降は、意匠面において美術工芸の技を尽くして作られるようになります。金工や漆、染色、組ひもなど、その文様や色彩の美しさと独自性は、日本の工芸、服飾文化の一つの極みとなりました。一方、機能面においては、武器や戦闘法の変化に伴い、精巧な解剖学的エンジニアリングとともに進化しました。
本展は、加賀藩前田家の歴史をもつ金沢にて、甲冑という文化資産をキュレーションの技でアップデートし、現代につなげることを目的としています。石川県立歴史博物館をはじめとする全国の所蔵館から選び抜いた珠玉の甲冑を、デジタル時代の美学をけん引する若手クリエイターたちが、デジタル解析映像とともに360度で鑑賞できるよう展示します。また、現代の甲冑ともいえるスニーカーの装飾性や機能性に着目し、スニーカーを素材とした現代版の甲冑や3Dプリントによるスニーカーを対比して展示することで、歴史と現代美術の対話を実現します。特別な什器デザインや照明、音響による透明感のあるハイパーな展示空間によみがえる甲冑は、男性的(マッチョ)な力の象徴だけでない、生き抜く知恵と身を飾ることの誇りと喜びを現代の私たちに教えてくれるでしょう。
本展は、現代のクリエイターたちの手により甲冑の存在とパフォーマンス性を更新し、現在という場所に新たに出現させる試みです。来館者は、歴史と現代のコラボレーションが生み出す驚きに満ちた出来事に出会うことでしょう。
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2022年5月3日(火・祝)〜2022年7月10日(日) |
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会場 |
金沢21世紀美術館
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展示室 | 金沢21世紀美術館 展示室6、14 |
住所 | 石川県金沢市広坂1-2-1 |
時間 |
10:00〜18:00
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休館日 | 月曜日 |
観覧料 | 一般 750円(600円) 大学生 520円(410円) 小中高生 260円(200円) 65歳以上の方 600円
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TEL | 076-220-2800 |
URL | https://www.kanazawa21.jp/ |
金沢21世紀美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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金本伊予札日輪紋丸胴具足 井伊美術館蔵

紅糸威仁王胴具足 室町-桃山時代 石川県立歴史博物館蔵

紅糸釘抜紋柄威二枚胴具足 桃山時代 大阪城天守閣蔵

HATRA × MAGARIMONO AURA 2022年 ©MAGARIMONO Inc.

三田真一 MITER Shinichi 連続の断片 (スニーカーのパーツにて製作した甲冑シリーズ) 2008年

Scanned image for Kacchu ©Rhizomatiks

Exhibition view: GLOBALE: New Sensorium - Exiting from Failures of Modernization
Curated by Yuko Hasegawa
Courtesy of ZKM | Karlsruhe
Photo by Tobias Wootton and Jonas Zilius

Atmospheric sketch for Kacchu(type 1) © Nile Koetting

Doodle for Kacchu(type 3) Drawing by Aisha Franz © Nile Koetting