3.0
企画意図には賛同。
・ラリックと言ったら、やはり豪華な装飾品や内装というイメージがある中、こういう側面があるとは知らなかったし、企画の意図は伝わった。でもいかんせん作品が「配布したメダル」とかだと、まずどうしても小さい・・・むむ、見えない・・・(チラシに使用されている作品も驚くほどの小ささ)。がっつり当時の状況説明があるのに対して作品が足りないのか、小さいからそう思うのか・・・といった感じ。
・大きく地図を使って説明してあったのだが、教会の内装の仕事を沢山しているようで、むしろ写真でもいいからそちらの方を見たかった。
・家族に対する思い入れが強かった人物のようだし、教会関係の仕事も多く手掛けているということなら、彼の作品や人生に信仰が関係しているのかが気になるところであった。が触れられていなかったような。奉仕活動へ向いた理由もよくわからなかったし、もし信仰があったなら、ヨーロッパの美術ではそこは説明する上で外せるところではないと思うし、わざと説明を避けているかのような雰囲気にもやもやした。個人のプライバシーという観点と「信仰の有無」という事実や影響の存在は別のものだと思うのだが。
・美術館の1階サロン・ド・サラという部屋からの景色は素晴らしかった。今の時期水連も咲いていて、まさにモネの「睡蓮」そのもの(橋までかかってる)。企画展出口付近の2Fから見下ろした庭もあまりにも美しくてびっくりした。睡蓮ばっちり楽しめる。
・常設展を見て、作家性を感じさせる作りこんだ作品と、工業製品というか、大量生産の方向性で作られた作品との展示の境が曖昧な気がした。アール・ヌーヴォーとアール・デコには違いがあるのだし。
・ガレとかドーム兄弟みたいなのを想像してたんだけど、それよりかなり渋め。
・公式HPの「ルネ・ラリックの紹介」がすごくわかりやすい。超おすすめ。