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パリの街角
点景として人が描かれていることはあっても、描かれているのはパリの街角
「パリの街角」を描くと言えば、佐伯祐三やユトリロを思い、荻須は彼らと同じ時代を生きた。
そうして荻須がフランスに渡ったころに活躍していたエコールドパリの中には藤田嗣治が居ました。
そんなことも思いめぐらしながら会場を回ってきました。
抽象を描く大きな波が打ち寄せる中で、あくまでも頑ななまでに画風を変えずに描き続けた画家なんだなぁと思いました。
佐伯がもっと生きていればどんな絵を描いていただろうとか、
追われるように日本を脱出した藤田に比して、藤田より10歳以上若かった荻須は戦時中何を描いていたのだろうとも思いました。
彼にとっては西洋の街角が唯一のモチーフだったのでしょう。