3.0
毎日の平凡さをどう見るか
展覧会タイトルの通り、鷹野隆大が毎日欠かさず取り続けてきたという雑多な日常風景が収められた写真が並ぶ。それを主軸に、鷹野隆大といえばイメージされるような、セクシャリティー系の写真作品や近頃の関心であるという影をとらえた作品も見られる(一部体験型展示もあり)。
私自身が写真の展覧会にあまり慣れ親しんでいないためでもあるかもしれないが、とくに「毎日写真」は魅力的なイメージとはかけ離れていると思ってしまった。つまり思い出の写真とかわくわくするような広告写真なんかとは違う、平凡な状景が淡々と撮影されている感じだ。シンプルな白い壁面の効果も相まって、目も脳も平らになってしまったような感覚に陥ってしまった。
とはいえ、そんな平凡さに何かを見出したい、見出せるのではないかと欲張るのが、美術館の鑑賞者というものだろうし、ものを見ることができる人間の性質ではないだろうか。あるいは毎日の平凡さに違和感を持ちたいとどこかで願っている人は、そういったものの見方をここで思考してみるのもいいかもしれない。