5.0
日本の四季
東山魁夷の京洛四季だけでなく,様々な画家が日本の四季を描いた素晴らしい作品が揃った展覧会でした.東山魁夷の京洛四季は,それぞれ素晴らしかったですが,同時に観ることで,それぞれが引き立て合い,日本の四季を味わうことができました.展示スペースも絵と調和して素晴らしく,とても素晴らしい展覧会でした.
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日本や世界各地の風景を詩情豊かに描き出し、昭和の国民的画家と謳われた東山魁夷(1908-1999)。近年も大規模な回顧展が続き、平成から令和の世へと移り変わりゆくなかでも、魁夷の作品は人々の心を魅了し続けています。このたび、山種美術館では、魁夷の芸術を構成する要素のうち「四季」と「風景」をテーマに、魁夷を中心に近代・現代の画家たちが描いた作品を展示する特別展を開催します。
1908(明治41)年、横浜に生まれた魁夷は、東京美術学校で日本画を学んだのち、ドイツに留学します。戦前・戦時中の苦難の時代を経て、戦後は風景画家として活躍し、静謐で叙情性あふれる独自の境地を確立しました。本展では、戦後、魁夷が新たな風景画を求めた北欧滞在を経て、魁夷の日本の伝統美への回帰にいたる時期に焦点をあて、当時を代表する珠玉の優品を紹介します。
なかでも、皇居宮殿を飾る魁夷の壁画を見た当館初代館長の山崎種二が、ひろく人々が鑑賞することができるようにと、魁夷に制作を依頼した同趣作品《満ち来る潮》は、日本の海のイメージと日本絵画の装飾性が凝縮され、日本美への回帰を象徴する作品といえるでしょう。また、同時期に制作された《年暮る》をはじめとする「京洛四季」連作は、作家・川端康成の言葉をきっかけに着手されたもので、古都の風情と繊細な季節のうつろいが見事なまでに表現されています。
さらに本展では、「京洛四季」のように、日本の四季をひと揃えに描く伝統的な主題表現や、春夏秋冬折々の表情を捉えた風景表現にも着目し、魁夷の師・川合玉堂や結城素明、東京美術学校の同窓生である山田申吾や加藤栄三、皇居宮殿の装飾をともに手がけた山口蓬春や杉山寧をはじめとする近代・現代の画家の優品をあわせて展示します。本展を通じて、日本人が自然と向き合い培ってきた季節への鋭敏な意識を感じていただければ幸いです。
会期 |
2020年11月21日(土)~2021年1月24日(日)
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会場 |
山種美術館
![]() |
住所 | 東京都渋谷区広尾3-12-36 |
時間 |
11:00~16:00
(最終入場時間 15:30)
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休館日 |
月曜日 ※但し、11月23日(月)、1月4日(月)、1月11日(月)は開館、11月24日(火)、1月12日(火)は休館 ※12月28日~1月2日は年末年始休館 |
観覧料 | 一般 1,300円 大学生・高校生 1,000円 中学生以下無料(付添者の同伴が必要です) 障がい者手帳、被爆者健康手帳を提示の方、およびその介助者(1名) 1,100円 、左記いずれかのうち大学生・高校生900円
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TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.yamatane-museum.jp/ |
5.0
東山魁夷の京洛四季だけでなく,様々な画家が日本の四季を描いた素晴らしい作品が揃った展覧会でした.東山魁夷の京洛四季は,それぞれ素晴らしかったですが,同時に観ることで,それぞれが引き立て合い,日本の四季を味わうことができました.展示スペースも絵と調和して素晴らしく,とても素晴らしい展覧会でした.
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四季の美しさを繊細に描いた日本画が揃う展覧会です。東山魁夷の京洛四季が全て揃ってるのを初めて見ました。特に「秋の彩」は色鮮やかでしたが、全て素晴らしかったです。大晦日の京都の夜を描いた「年暮る」は人気があるだけあり、情緒溢れた風景でした。皇居新宮殿に収められていた「満ち来る潮」は圧倒されました。他にも上村松篁の作品が凝った図柄で素敵でした。東山魁夷以外にも、四季を描いた良作が多く、1室の最後のコーナーはとても好みの空間で、見入っていました。四季の美しさを堪能できました。
5.0
連作「京洛四季」4点を見に行きました。それぞれの季節が描かれています。四季のある国に生まれて良かったなと思います。京都という場所を年に4回楽しめるのだから。
特にこの時期年の瀬に見た「年暮る」は忘れないと思います。静寂の中、しんしんと雪が降って、まさに除夜の鐘が聞こえてきそう。厳かな世界です。非日常が続いたこの一年が静かに暮れていく。来年はどうか穏やかな一年にと願ってやみません。いろんな感情があふれてきました。
5.0
もうあまり実際には存在しないかもしれないが、東山魁夷の絵画は美しい。普通の風景を美しく描くことができるのか、美しい風景を探し出すことに長けているのかはわからないが、とにかく心が和む。
5.0
日展出品の大作、白い馬も良いが、山種コレクションの魁夷作品は大好きで、展示がある時は必ず行く!今回展示室入り最初の魁夷作品は「月出づ」青みががった繊細な色。最高のライティングが施してあるミュージアムショップの奥の展示室には「白い嶺」、美しい空の青と雪のマチエール、千住博の四季四幅対も!他に奥田元宋の絶望視な赤、杉山寧、高山辰雄の佳品が展示、日展三山揃い踏みです。石田武の大作四季奥入瀬「秋韻」「幻冬」は35年振りの展示だそうです。
5.0
東山魁夷の「京洛四季」4点が4年ぶりに展示されると知って訪問。
日本画ならではの岩絵の具の美しさに改めて感動。
菱田春草「月四題」や山口蓬春、上村松篁などの皇居新宮殿の装飾を手掛けた作品も良かったが、中でも東山魁夷「満ち来る潮」には感激しました。
幅9メートルもある絵を見た途端「わぁっ!」と感嘆の声が漏れそうになりました。
緑青、群青、金銀砂子が使われた、静かに、しかし力強く何度も寄せ満ちて来る波の景色は、息をのむ程美しく、何時間でも見ていたいと思ってしまいました。
この一枚を見るだけでも価値がある展示だと思います。
皆さんに見に行ってもらいたい展覧会です。
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東山魁夷 《緑潤う》 1976(昭和51)年 紙本・彩色 山種美術館
東山魁夷 《秋彩》 1986(昭和61)年 紙本・彩色 山種美術館
東山魁夷 《年暮る》 1968(昭和43)年 紙本・彩色 山種美術館