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多くの人に慕われた大雅の意思を継いできた池大雅美術館コレクションに思いを寄せて
池大雅の生きた18世紀の京都は、若冲、応挙、蕪村、、、綺羅星のごとく個性豊かな絵師たちの宝庫です。そんな中で池大雅は与謝蕪村と共に「南画の大成者」ですが、蕪村ほどに名が知れていないのが残念。2年前の春に京博で開催された池大雅の大展覧会ですっかり大雅の人間としての魅力に惹かれてしまいました。
大雅を支援する大和郡山藩の家老柳沢淇園や紀州藩の儒官祇園南海との出会い、共に旅した親友、篆刻家・高芙蓉や書家・韓天寿、妻・玉瀾との仲睦まじい暮らし、多くの人に慕われ大雅没後には大雅堂が建立され、それは池大雅美術館へと引き継がれ、やがてコレクションは文博に寄贈され、展示されています。「詩書画一致」「書」も素晴らしい大雅で、こんな時期だからこそ、せめても描かれた文人の境地に遊びたい。