5.0
桜が満開の週末に
アール・デコ様式の室内に、シュルレアリスム + モード+ 社会風刺がふんだんに盛り込まれた作品がしっくりと合って、空間の醸し出す空気感に魅了されてきました。
作品と展示のコラボレーションが素晴らしく融合されていました。
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1950年代に彗星のごとく登場した岡上淑子(おかのうえ としこ)は、日本におけるシュルレアリスム運動を先導した瀧口修造に見出され、写真媒体を活用したフォトコラージュ作品によってその比類ない才能を開花させました。
1950年から56年までのごく限られた期間に制作された岡上のコラージュ作品は、マックス・エルンストによるコラージュの影響を享受して饒舌さを増していきます。
作品は、戦後連合国軍の置き土産として国内にあった、LIFEのような海外のグラフ雑誌や、VOGUEやHarper's BAZAARといったファッション誌を素材とするものであり、戦後復興期の時代を反映した報道写真による背景と、前景に浮かび上がる当時最先端のモードは、鮮やかな対比を描きながら独特の美や世界観を導き出して、私達の心を揺さぶります。
近年になり再注目されている同作家の活動は今や国際的な評価を得ており、現代のコラージュ作家たちにも多大な影響を与えつつあります。
本展では、国内所蔵に加えて米国ヒューストン美術館の貴重な所蔵作品が、この度初めて日本へと里帰りします。新たな時代への息吹を感じさせるこのユニークな表現世界を、作家による詩篇や後に描かれたスケッチ、関連資料、京都服飾文化研究財団ご所蔵のドレスによる参考展示などとともに紹介します。
会期 | 2019年1月26日(土)~2019年4月7日(日) |
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会場 |
東京都庭園美術館
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住所 | 東京都港区白金台5-21-9 |
時間 |
10:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
|
休館日 | 第2・第4水曜日(2/13、2/27、3/13、3/27) |
観覧料 | 一般 900円(720円) 大学生[専修・各種専門学校含む] 720円(570円) 中学生・高校生 450円(360円) 65歳以上 450円(360円)
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TEL | 050-5541-8600 (ハローダイヤル) |
URL | https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/190126-0407_okanoue.html |
◆ 講演会「沈黙の薔薇―岡上淑子の視覚世界」
2019年3月21日(木・祝)14:00-
講師:神保京子(東京都庭園美術館学芸員)
会場:新館ギャラリー2
定員:100名【事前申込制】
参加費無料(当日有効の本展チケットが必要)
◆ ギャラリートーク
展覧会の見どころをわかりやすく解説します。
2019年2月22日(金)15:00-
参加費無料(当日有効の本展チケットが必要)
5.0
アール・デコ様式の室内に、シュルレアリスム + モード+ 社会風刺がふんだんに盛り込まれた作品がしっくりと合って、空間の醸し出す空気感に魅了されてきました。
作品と展示のコラボレーションが素晴らしく融合されていました。
5.0
丁寧で洗練されたコラージュ作品を堪能できます。凡百のコラージュにありがちなけばけばしさ、ざわめきが一切ありません。建物も魅力的ですので、そこに置かれた作品との相乗効果で、何か美しい不穏に自分も加担している気になります。
4.0
美術館と内容がマッチして、とてもいい雰囲気で見ることができる展覧会です。ファッション誌のモダンな洋装と、異質な背景との組み合わせが見事です。
特に後半は力強さも加わり、作者の意思が強く表されるようになっていくのが印象的でした。
5.0
東京都庭園美術館は依然訪問したことがあり(ブラジル先住民の椅子展)美術館そのものが美しく、展示も含めた雰囲気がとても好きになりました。
今回の展示はまた雰囲気が一変し、退廃的に見えるけどどこか不思議な作品の数々がアールデコの建築にマッチし、とても不思議で魅力的な空間に感じました。
4.0
庭園美術館という場所は、岡上淑子さんの作品を更に生き生きさせる……そのように感じた展示でした。慎ましやかで控えめなサイズの枠組を持った作品たち。それらに触れた途端、作家自身の広大で奥深く、しなやかさを持った意志に向き合う感覚を覚えました。展示の合間に時折配置されているイブニングドレス、瀧口との手紙、雑誌等も、作品の背景を手に取る手助けになると思います。
コクトーの映画を、久しぶりに観たくなりました(笑)。
5.0
コラージュの展覧会とおもって、ちょっとどうかなと思っていたのですが。これは面白いです。とにかく素材となるモチーフの集め方がおもしろいのと、着眼点が愉快(というより、ちょっと退廃的なところがとても印象的でとても好みでした)なので、男性女性問わずに楽しめると思います。
後半込みそうなので、お早めに行くのをオススメします。
美術館の雰囲気ともバッチリです!!。
5.0
岡上淑子展、前々から楽しみにしていましたがとっても良かったです!
既に作品集で親しんではいましたが、実際の切り貼りを見て創作の跡が感じられて嬉しかったです。
ロマンティックで不穏で不安定でなんだかソワソワするちょっと居心地の悪い感覚に陷りました。
コラージュ作家だと思っていましたが、スケッチや日本画なども展示されていて興味深いですね。
ディオールやバレンシアガのドレスも展示されており、庭園美術館との相性も抜群。
ミステリアスな雰囲気を夜間開館時にも体験したくなりました。
日曜昼間でオシャレな女性を中心に結構賑わっていましたがまだ混雑していません。
美術館の内装と併せてゆっくり楽しめました。
写真撮影は不可で一箇所撮影スポットが用意されています。
展覧会に併せて図録も発売されており大判で見やすい良い図録です。
一般書籍で発売は来月ですが会場で先行購入可能です。
凄く良い展覧会なので人気が出てくると思います。
オススメです。
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《会議》©Okanoue Toshiko, ヒューストン美術館蔵
《夜間訪問》©Okanoue Toshiko, 東京国立近代美術館蔵
《沈黙の奇蹟》©Okanoue Toshiko, 東京都写真美術館蔵
《幻想》©Okanoue Toshiko, 個人蔵
《懺悔室の展望》©Okanoue Toshiko, ヒューストン美術館蔵
《予感》©Okanoue Toshiko, 高知県立美術館蔵
《轍》©Okanoue Toshiko, 高知県立美術館蔵
《水族館》©Okanoue Toshiko, 栃木県立美術館蔵
《マスク》©Okanoue Toshiko, 個人蔵