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色々な画風の絵が楽しめます。
練馬区立美術館は、世にあまり知られていないマイナーなアーチストを発掘し、その優れた作品を紹介してくれる素晴らしい美術館なので、展覧会は毎回必ず観ています。
今回は練馬区独立70周年記念展ということで、藤島武二というメジャーな画家を扱っています。展示された作品約160点の多くは個人蔵のもので、このほか全国30を超える美術館・博物館・大学等から作品が集められています。小規模な区立美術館にもかかわらず、これだけ幅広く作品を集めたスタッフの企画力・行動力に感嘆しました。
展示は時代を追って、藤島武二の画風の変化が判るように並べられており、その画風のめまぐるしい変化に驚かされます。初期の京都四条派風から黒田清輝風、ゴッホ風、セザンヌ風、ガストン・ラトゥーシュ風(知らない画家ですが解説文に書かれています)等色々な画風が楽しめます。
なお、彼は日の出の絵をたくさん描いていますが、「港の朝陽」というタイトルの2点(国立近代美術館蔵及びブリジストン美術館蔵)は、モネの「印象、日の出」に良く似ています。お薦めはパンフレットの表紙となっている「婦人と朝顔」ですが、これが個人蔵でいつでも観られるわけではないのが残念です。