この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
入江泰吉と文楽との出会いは、戦前の1939年、大阪にさかのぼります。知人から文楽人形の「首(かしら)」の撮影を依頼されたことが、そのきっかけでした。初めて目にした人形の首は、写実をこえ、人間の内面性と生命力を宿した存在であり、入江はその魅力に強く惹かれます。やがて文楽座に通うようになり、人形が遣い手によって人間以上の存在へと高められ、生命が吹き込まれる瞬間に深い感銘を受けました。
入江は、古典芸能の真髄をとらえようと、1945年3月の大阪大空襲で被災するまでの約6年間、四ツ橋の文楽座に足しげく通いました。人形と遣い手が一体となる瞬間をとらえた舞台写真のみならず、舞台裏や楽屋の様子、さらには文楽に関わる人々にも目を向け、その姿を記録しています。
本展では、入江の出世作となった文楽作品を、残されたフィルムから新たに制作した30点を含む、計78点により紹介します。入江が撮影した文楽の人形や「首」の多くは、戦災によって失われ、当時の姿を伝える資料はきわめて限られています。そうした中にあって、これらの写真は、入江の表現としての魅力を備えると同時に、戦時下における古典芸能の姿を今に伝える、かけがえのない記録でもあります。80年以上の時を経てなお、文楽の生命の瞬間をとどめたこれらの作品を通して、その奥深い世界に触れてみてください。
開催概要EVENT DETAILS
| 会期 | 2026年4月11日(土)~2026年7月5日(日) |
|---|---|
| 会場 |
入江泰吉記念奈良市写真美術館
|
| 住所 | 奈良県奈良市高畑町600-1 |
| 時間 |
9:30~17:00
(最終入場時間 16:30)
|
| 休館日 |
月曜日、4月30日(木)、5月7日(木) ※但し、5月4日(月)は開館 |
| 観覧料 | 一般 700円〈奈良市民は500円〉 16歳未満の方、学生の方は無料 障がい者手帳をお持ちの方とその介護者は無料 奈良市在住の70歳以上は無料 ※奈良市在住の方は住所が分かるものを要提示 |
| TEL | 0742-22-9811 |
| URL | https://naracmp.jp/ |
入江泰吉記念奈良市写真美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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出展作品・関連画像IMAGES
「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」千代 1940年代
「大舅(おおしゅうと)」1940年代
「艶容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ)」酒屋の段 お園 吉田文五郎 1940年代
「義経千本桜」道行初音の旅路静御前と狐忠信 1942年1月
「人形遣いの左手」1940年代
「肉弾三勇士」1940年代
「楽屋裏で(新入りの弟子たち)」1940年代
「四ッ橋・文楽座」1940年代