4.0
学芸員は美術館の宝かも
ちょっと地味だけど、なかなか面白い。時間をかけてゆっくり拝見しました。「学芸部スタッフが各々の視点で収蔵品を選び、一部に借用作品を交えて、調査研究(リサーチ)の成果をもとに展示します」とのこと。この数年、各美術館で、収蔵品を活かしてより集客できる展示を、と工夫を凝らしているのですが、大抵は収蔵品のテーマ別展示とか、現代美術家と共同展示あたりでした。ここでは学芸員さんが主役という感じ。さながら短編集という感じで楽しめました。
テーマは7つ。1つめは「キスリングとアンドレ・ドラン――来歴をめぐって」。埼玉近美の収蔵品キスリングの《リタ・ヴァン・リアの肖像》とアンドレ・ドラン《浴女》から、二人の美術家は親しく、キスリングが描いたリタ・ヴァン・リアをアンドレ・ドランも描いていたことを示しています。そこからリタ・ヴァン・リアが画商の妻であることや、それぞれの作品が、どういった経緯で収蔵されたかを解説しています。この後、6つのテーマが並ぶのですが、いずれもコンパクトにまとまっていて、かつバラエティ感があって飽きない感じです。
気になったのは、弘前を拠点に活躍した村上善男、東京国立近代美術館で開催されたアンチ・アクション展でも展示されていた抽象画家の田中田鶴子です。
写真撮影は一部不可。展示替えありで図録ありです。
ちなみに、すぐ横で2部屋使って展示していた「アーティスト・プロジェクト#2.09 江頭誠 夢見る薔薇 ~Dreaming Rose~」という小規模の企画展示が、コレクションの舞台裏展とは、全く違うトーンで楽しめた。花柄の毛布(おそらくは日本特有、あるいは東アジア特有)を使った作品で、あらゆる物を花柄の毛布で梱包する。確か、岡本太郎現代芸術賞で霊柩車を花柄毛布で覆った作品を見た覚えがある。ともかくカタチは見覚えがあるモノがすべてパステル調の花柄に覆われるという視覚体験はなかなか得がたいモノがあるのでした。










