5.0
長崎版画、はじめてかも。
オランダ商館とか異国人というと、横浜を描いた浮世絵は見たことがあったのですが、長崎舞台のもの初見でした。
同じように紅毛人とか、表現も面白く、また、当時の日本人から見た外国人ってこんな面白く移っていたのね~~とか、洋館の建物や家具まで興味深くみてきました。個人的にミニ熊手みたいなフォークとか豚にウシのつのをつけた料理とか風習もわかっておもしろかったです。
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祝砲を放ちながら長崎港に入港するオランダ船や唐船、ギヤマンの杯や肉料理が並ぶ出島商館員の食卓など、海外との貿易都市である長崎に材を求め、異国趣味に溢れた町の雰囲気を伝える版画があります。江戸中期から100年以上もの間、長崎で版行され、主に土産物として親しまれた「長崎版画」です。
市中にあった複数の版元が、制作から販売まで一貫して手掛けたこれらの版画には、作者の署名どころか、版元名すらないこともしばしばでした。実態は謎に包まれていますが、西洋画法に秀でた荒木如元や川原慶賀、舶来画を鑑定・模写する唐絵目利まで様々な画人が関わったと推測されています。また、版元・大和屋に入婿した磯野文斎のように、合羽摺を主とした長崎版画の世界に、江戸仕込みの本格的な多色摺で挑み、洗練された作品を世に送り出した絵師もいました。
本展覧会は、長崎版画の源流とされる蘇州版画や、その影響が色濃い初期作品から、報道性を盛り込んだ幕末の作品まで約100点により、長崎版画の多彩な魅力を紹介する近年にはない試みです。さらに、長崎で描かれた異国の面影を感じさせる肉筆作品約30点も展示し、長崎版画を取り巻く諸相を探ります。
会期 |
2017年2月25日(土)~2017年3月26日(日)
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会場 |
板橋区立美術館
![]() |
住所 | 東京都板橋区赤塚5-34-27 |
時間 |
9:30~17:00
(最終入場時間 16:30)
|
休館日 |
月曜日 ※但し3/20は祝日のため開館し、翌日休館 |
観覧料 | 一般 650円 高校・大学生 450円 小・中学生 200円
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TEL | 03-3979-3251 |
URL | http://www.itabashiartmuseum.jp/exhibition/ex170225.html |
5.0
オランダ商館とか異国人というと、横浜を描いた浮世絵は見たことがあったのですが、長崎舞台のもの初見でした。
同じように紅毛人とか、表現も面白く、また、当時の日本人から見た外国人ってこんな面白く移っていたのね~~とか、洋館の建物や家具まで興味深くみてきました。個人的にミニ熊手みたいなフォークとか豚にウシのつのをつけた料理とか風習もわかっておもしろかったです。
4.0
板橋の美術館に初めて訪れる機会を得ました。区立の中で最寄の駅から最もアクセスの悪い美術館の一つと思いますが(笑)、隣接して釣り堀があったり、いい意味で非日常にタイムスリップできる場所でした。さて、展示会ですが、長崎版画というジャンルがあることを再認識しましたが、芸術としてだけでなく、外から来る人への地図としての需要から発展した点も興味深かったです。他方、肉筆画では、川原慶賀。年末に江戸東京博物館で開催された「シーボルト展」で、多数の人物のスケッチに目がとまりましたが、本展示会でも、精緻な描写力とデフォルメするセンスが光っていました。もし当時の日本に「ポスター」芸術の分野があったら、彼の才能はもっと生かせただろうになどと空想しました。また、同じ「阿蘭陀人」のモチーフでも、他の絵師の絵では無表情なのに対し、彼の絵では少し微笑みを浮かべていています。シーボルトの弟子ならでは心情の現れかと思いました。
4.0
江戸博開館以前から、江戸絵画を集めていた板橋区立美術館、とうとう、長崎版画に出ました。もっともほとんど借り物。
長崎版画は、描いた人の名前もはっきりしない。版元が全て取り仕切っていたようで、長崎を訪れた人たちの良い土産になったようです。
鎖国で、オランダ人は、出島の商館に、中国人は唐人屋敷に閉じ込められる。
出島や屋敷はかっこうの材料に。
更に、ロシアのレザノフ率いる舟が通商を求めていきなりやってきたり、物語性もある。
展示の目玉は、右にオランダ人、左に中国人を描いた大きな屏風でしょうか。
参考資料コーナーとかもあり充実しています。
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