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浮世絵始めたの誰だっけ?


「筆魂展」の前期展示に行った。


いきなり、近ごろ気になっている岩佐又兵衛が描いた、大きな顔の美人が出迎えてくれた。


タイトルは「弄玉仙図ろうぎょくせんず」


女仙人「弄玉」が簫(しょう)を奏でると、その音に誘われて鳳凰が現れた場面が描かれている。


旧金谷屏風と言われ、12図で1セットだったが、バラバラにされて、今は持ち主もバラバラ。そのうちの1枚。


全体を淡い墨と柔らかい筆致で描いていて、仙人が住む世界がそこにあるよう。


あなたは又兵衛の描くキャラクターは好き?

何か惹きつけられるんだけど。


小顔が良しとされる現代と違って、又兵衛の描く人物はとにかく顔がデカい。


この「ふっくらホッペと長いアゴ」を「豊頬長頤ほうきょうちょうい」と言うらしい。


又兵衛を「奇想の画家」として紹介してきた、辻惟雄つじのぶお氏が、下アゴが長いのは、昔の大和絵で身分の高い人を描く場合はそうだと言っているが…


又兵衛のは特別長い。


さて「筆魂展」は時代順で分かりやすかった。が、『浮世絵』って誰が始めた?


菱川師宣じゃなかった?教科書で「見返り美人」を見て覚えたけど…


本展では、又兵衛を先駆、師宣を始祖と紹介している。


先駆、始祖、どっちが先? weblio辞書によると、


先駆は、他に先がけて物事をすること。また、その人。


始祖は、 ある物事を最初に始めた人。創始者。元祖。「流派の始祖」


先駆はとにかく最初。

始祖も最初ってことと、それが続いていく感じかな。


生まれた年で比べると、又兵衛が先。1578年生まれ。師宣は不明だが1630年頃。(千葉県の菱川師宣記念館のホームページ)


どちらも江戸時代初期に活躍。


又兵衛作「花見遊楽図屏風」や「洛中洛外図屏風(舟木本)」に描かれた、視線を交わす男女や酔いつぶれる花見客などは浮世絵の原型といえそう。だから先駆?


じゃあ師宣は?


初めて、肉筆画や墨摺絵本を名前入りでやった。それまでの町絵師は名前を残す習慣がなかった。


初めて、文がない、純粋に絵だけを楽しむ木版摺りの一枚絵を作った。安価で庶民も楽しめた。


初めて、浮世絵専門の画派(菱川派)も作っちゃった。


師宣は、江戸時代の絵画様式である『浮世絵』のすべてを1番最初にやった人物。始祖ってこと。


何となく先駆と始祖の違いが分かったかも。


「筆魂展」なのに歴史に気を取られてしまった。悪いクセが治らない。


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