ロス・ブラブ Los Bravú展:古典と現代の融合を描くスペインの男女2人の画家コンビ 駐日スペイン大使館で開催
- 2
- 0
- VIEW286
- by 榊原平 / Taira Sakakibara
スペインのポンテベドラに拠点を置くスペイン人画家の男女コンビのロス・ブラブ Los Bravú は、古典的な背景と現代的な人物や動物を組み合わせた絵を描くことで、自分たちの世代や環境に関するメッセージを伝えています。
この記事では、彼らの出会いと活動の始まり、作品の特徴とメッセージ、その他の活動と今後の展望についてご紹介します。
ロス・ブラブは、ガリシア語で「野生動物の臭い」という意味の名前をつけています。
独自の感性と技法で、古典と現代の融合を描く作品を生み出しています。
出会いと活動の始まり
ロス・ブラブは、サラマンカ大学で美術を学んでいたときに出会いました。2012年から一緒に活動を始めました。
最初は、コミックやグラフィック・ノベルを作っていました。フランスの文化省に招かれて、フランスの漫画家のための国際交流に参加しました。そのときに、いくつかの作品を出版しました。
絵画への転換と展示
2016年には、ローマのスペイン王立アカデミーの奨学生になりました。イタリアに行って、古代やルネサンスの絵に影響を受けました。
それから、絵画に力を入れるようになりました。古典的な背景と現代的な人物や動物を組み合わせた絵を描きました。
この絵は、ニューヨークやロサンゼルス、メキシコシティやロンドン、ソウルなど、世界中のギャラリーや見本市で展示されました。
ロス・ブラブの絵は、色が鮮やかで明るく、ユーモアや皮肉もあります。
デジタルメディアや博物館、エコロジーなど、現代の問題についても考えさせられます。
この経験が彼らの作品に大きな影響を与え、ルネサンスの影響を受けた風景や人物に、現代的な要素や技術を組み合わせた独自の画風を確立しました。
ロス・ブラブの経歴
ロス・ブラブ Los Bravúは、デア・ゴメス(1989年生まれ、サラマンカ出身)とディエゴ・オミル(1988年生まれ、ポンテベドラ出身)の二人で構成されています。
Los Bravúという名前は、ガリシア語で「野生動物のにおい」を意味する言葉で、彼らの作品に生命力や野性味を表しています。
二人はサラマンカ大学の美術学部で出会い、2012年から共同で作品を制作するようになりました。
当初はコミックを中心に活動していましたが、2017年にスペイン王立アカデミーの奨学金を受けてローマに滞在したことがきっかけで、古典的な絵画の研究と創作に取り組むようになりました。
その経験が彼らの作品に大きな影響を与え、ルネサンスの影響を受けた風景や人物に、現代的な要素や技術を組み合わせた独自の画風を確立しました。
ローマ滞在後は、ロンドン、ニューヨーク、サントドミンゴ、ダカールなどの都市で展覧会に参加し、国際的な評価を得るようになりました。
ロス・ブラブの作品の特徴
ロス・ブラブ Los Bravúの作品の特徴は、トスカーナの古典的な風景を背景に、現代のテクノロジーやライフスタイルを反映した人物や動物を描くことです。
彼らは、古典的な絵画の技法と現代的なテーマの対比を楽しみ、観る者に物語を想像させます。
例えば、彼らの作品には、スマートフォンやヘッドフォンを持った人物、自撮り棒やドローンを使ったシーン、スケートボードやバイクに乗ったキャラクターなどが登場します。
また、彼らは、田舎や郊外の生活を肯定的に表現し、自然との関係やコミュニティの重要性を強調します。
彼らの作品は、色彩豊かで明るく、ユーモアや皮肉も含まれています。
ブラブの作品のメッセージ
ロス・ブラブ Los Bravúの作品は、自分たちの世代や環境に関するメッセージを伝えています。
彼らは、ミレニアル世代と呼ばれる若者たちの視点から、インターネットやソーシャルメディアがもたらす影響や問題について考えます。
例えば、自分のイメージや現実をどのように見せるか、操作するか、暗号化するかなどです。また、彼らは、田舎と都会の対比や相互作用にも注目します。
彼らは、田舎の風景や文化を美化することなく、現実的に描きます。
同時に、都会の生活や消費にも批判的な視点を持ちます。
彼らの作品は、情報過多の時代の人間の心理や感情、欲望や不安、孤独や希望などを表現しています。
ロス・ブラブのその他の活動と今後の展望
2020年には、マドリードの文化センターに招かれて、大きな壁画を作りました。マドリードの中心にある音楽ホールの壁に、150平方メートルのタイルを貼りました。
近年は、絵画だけでなく、彫刻やビデオ、インスタレーションなど、さまざまな分野で活動しています。ダンスのフェスティバルにも参加しました。
ロス・ブラブは、常に新しいことに挑戦して、自分たちの表現を広げています。
国内外で注目される画家として、今後も様々なプロジェクトに参加する予定です。
Los Bravúは、今後も様々なプロジェクトに参加する予定です。
例えば、ドミニカ共和国でのプロジェクトでは、現地のアーティストやコミュニティと協力して、壁画やパフォーマンスなどを行います。
また、スペインのアルコベンダスやサラマンカでの展覧会では、新しい作品やインスタレーションを発表します。
Los Bravúは、常に新しい挑戦や実験を行い、自分たちの表現を広げていきます。
おわりに
ロス・ブラブは、古典と現代の融合を描くスペインの画家コンビです。
彼らの作品は、自分たちの世代や環境に関するメッセージを伝え、観る者に物語を想像させます。彼らの作品は、色彩豊かで明るく、ユーモアや皮肉も含まれています。
彼らは、国内外で注目される画家として、今後も様々なプロジェクトに参加する予定です。
ロス・ブラブの作品は、古典と現代の対話を楽しむことができる魅力的な作品です。
ぜひ、彼らの作品をチェックしてみてください。
Los Bravú: Nuevos códigos Desde Pontevedra, Dea Gómez y Diego Omil mezclan aires renace
展示の会期
会期は、2024年1月15日から2024年2月5日までの平日です。
開館時間は、9時30分から13時45分、14時45分から17時30分です。
場所は、駐日スペイン大使館(〒106-0032 東京都港区六本木1-3-29)です。最寄り駅は、地下鉄南北線の六本木一丁目駅と地下鉄日比谷線の神谷町駅です。六本木一丁目駅からは徒歩約3分、神谷町駅からは徒歩約5分です。
休館日は、日本とスペインの祝祭日です。展示の入場料は無料です。
Los Bravú ロス・ブラブ 展は、スペインの現代アートを楽しむ絶好の機会です。ぜひお越しください。
類似記事
- 日本画の巨匠加山又造とその後継者たちの作品を体験:11月5日まで浜松市秋野不矩美術館で
- 「水 -巡る- 現代日本画展」で千住博の「ウォーターフォール」に感動!500円で見られる驚きの展示
- 第89回独立展と二紀展を見る 東京・六本木 国立新美術館で
- 時の記憶に寄せて ギャラリーいまじん 2016年X’masコンサート
- フランスの風景 樹をめぐる物語 金華山登った後の3時デザート
- 巨匠の絵画にみる「四季」アルチンボルト ザクセン選帝侯への想い 16日
- フェルメールの無言の叫び:ベルギー王立美術館森耕治7月講演
- シャヴァンヌ水辺のアルカディア展の渋谷へ 3日
- ランス美術館展 そして名古屋堀川の四季桜 25日
- 第40回近代日本美術協会展の作品を見に東京都立美術館へ