サルバドール・ダリ ― エンドレス・エニグマ 永遠の謎 ―
角川武蔵野ミュージアム|埼玉県
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永遠の謎―ダリよダリよダリよ
ダリが今も生きているならば、きっと率先してこのような作品を作ったに違いない。
ダリの有名な作品から、あまり知られていない作品。さらにはダリが手掛けた映画やディズニーとの共同制作の短編アニメ、そして宝飾デザインをふんだんに使いおよそ30分の映像に仕上げられた、館内を埋め尽くすイマーシブアート。
音楽はピンクフロイド。前述のディスに―アニメ『ディスティーノ』に合わせてフロイドの"TIME"をシンクロさせた映像がYouTubeにあるのですが、本家を凌駕するほどマッチしていてダリとフロイドを融合させるのは天才的アイディアといえましょう。
残念ながら私が訪れたときは大人の理由か楽曲が変更されておりましたが、フラメンコギターかやアベマリアなどきちんと作品にマッチした演出が施されていてサイドBとして十分見ごたえのあるものとなっていました。
作品は全部で12章構成。卵から生まれたダリが自分の作品を通じ、「自分とは何者か?」を自問するように私には感じられました。作中、映画『白い恐怖』の目が場内を埋め尽くすところは圧巻の一言につきます。
また、ダリ宝飾については実物というよりデザイン画がメイン。
時間の眼や王家の心臓など、かつて秋葉原のミナミ無線電機が所有し、鎌倉で常設展示していた作品に映像とはいえもう一度会えた時、王家の心臓の前で泣いた友人の事を思い出し、胸が熱くなる思いがしました。
ダリは私と美術を結び付けてくれた画家であり、ずっと心に存在している画家。
彼は一体何者だったのか、永遠の謎は謎のままとして今も私の中で生き続けていくのでしょう。
まもなくダリの120回目の誕生日。この記念すべき年に、また一つダリの事が好きになりました。
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- morinousagisanさん