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京都 細見美術館の名品 ー琳派、若冲、ときめきの日本美術ー

京都 細見美術館の名品 ー琳派、若冲、ときめきの日本美術ー

静岡市美術館|静岡県

開催期間:

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ときめきの日本美術

静岡で宗達、光琳、抱一、基一、若冲が一同に観られる機会は滅多にないので静岡市美術館と細見美術館に感謝。どの作品も素晴らしかったが、私が好きな基一の作品の中で特に気に入ったのが「白椿に楽茶碗花鋏図」。楽茶碗には手捏ねで成形している武骨さと温かみが感じられるし、白椿や花ばさみは繊細かつシャープに描かれていた。琳派の絵師を刃物で例えると宗達は「ナタ」光琳は「包丁」抱一は「カミソリ」其一は「手術用のメス」と言われるけれど、まさにメスの鋭さを感じる作品だった。
素晴らしい絵画作品も多く展示されるなか、工芸作品と言ってよいのか驚いたのは「金銅春日神鹿御正体」だ。雲に乗った鹿の背中に榊が突っ立って、その榊の真ん中には大きな鏡板が付いている。驚愕したのはその大きさ。展示会のチラシで見かけていたが20~30cmぐらいの高さを想像していたので1mの実物を見て「でかっ!」と思わず叫んでしまった。細部を見ていくと鹿はとてもリアルで気品があり「もののけ姫」のシシ神様を思い出した。それはそのはず、この鹿は武甕槌命(タケミカヅチノミコト)様が御蓋山(春日山)の山頂に降り立った際に乗っていた白鹿。春日大社ゆかりの神の使いだ。よく見ると榊の鏡板には更に5つ金の円相があり、それぞれに阿弥陀如来様、薬師如来様、地蔵菩薩様、十一面観音様、文殊菩薩様が線刻してある。通常は春日曼荼羅図など絵画で表されることが多いようで彫像は珍しいとのこと。南北朝時代にこれだけの技術があったということも衝撃だし、この大きさの作品が元々どこにあったのか気になる作品だった。

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