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シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝

シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝

森美術館|東京都

開催期間:

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日本文化への敬意と黒人差別に対しる反感の意思が伝わる空間

 
 黒人文化と日本文化の両方に長くかかわってきたシアスター・ゲイツ氏の展覧会。
 
 印象に残ったのはアメリカの黒人に関連する出来事や事件が年表ととみに紹介されていたアーカイブ。黒人が何十年にもわたって白人から暴力や理不尽な扱いを受けてきたことが理解できた。ゲイツ氏は、黒人への差別を自らが作成した作品によって意思表示している。その制作に用いられたのは消防ホースの生地や学校の床板など。一見どこにでもありそうなそれらを観ただけでは何も感じることはなかった。しかし、それらがデモに参加した黒人を抑圧するために使われた消防ホースであることや廃校となった黒人が通学する学校の床板といった文脈が加わると同じものを観てもそれによって受ける印象は全く異なるものになった。反感を示すだけでなく作品創りの素材を通じて黒人労働者への感謝の意思も表現していた。

 アメリカのシカゴではゲイツ氏を中心に住居や店舗など黒人のコミュニティ創りに貢献していることが紹介されていた。ゲイツ氏はにとってはこれらの活動も芸術表現の一種なのだろう。

 陶芸を学ぶために初来日した際に訪問した愛知県の常滑市の陶芸にとても感銘を受けたゲイツ氏の思いが十分に伝わる空間もあった。自ら創るだけでなく作品を集め公開することも芸術活動であると考えるゲイツ氏。それを示すかのように、会場にはゲイツ氏が集めた日本の陶芸家の作品も展示されていた。

 ゲイツ氏の日本への敬意と黒人への差別に対しる自らの意思表示が感じられる展覧会だった。

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