体感型古代エジプト展 ツタンカーメンの青春
角川武蔵野ミュージアム|埼玉県
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圧巻!
2年前に静岡県立美術館で行われたエジプト展以来チェックしていた河江肖剰先生のYouTubeチャネルでこの展示会のことを知り興奮した。テレビやYouTubeでしか見たことがないツタンカーメンの王墓や宝物を再現しているという。しかも展示会場となる角川武蔵野ミュージアムは、これまたテレビで見たことがある隈研吾さん設計の一種異様な巨石風建築物だし、中の本棚劇場では紅白でYOASOBIが歌っていた。もう行くしかないでしょう。
会場に入るとYouTubeで見たままのツタンカーメンの玄室があり、壁画はカビまで見事に再現されている。鮮やかな黄色の壁面にはオシリス神の姿をしたツタンカーメンに対し老宰相アイが口開けの儀式が描かれている。ミイラとなったファラオがあの世でも話したり、食べたりできるようにするための儀式だそうだ。ちなみにアイはツタンカーメンの後継者として、その後ファラオになっている。壁面には「冥界の書」のヒヒが12匹描かれており案外可愛らしい。ヒヒは太陽が旅をしている夜の12時間を表し、太陽は夜明けに再生するという考えがあるようだが、ヒヒが選ばれたのは日の出のときに太陽に向かって手を挙げて鳴くとされており、それが礼拝しているように見えるかららしい。
狭い玄室には赤い石棺が置かれている。この石棺はマトリョーシカのように金ピカの4つの厨子の中に収められており、石棺の中には今度はヒト型棺が3重にあり、一番内側になる純金の棺には黄金のマスクをつけたツタンカーメンのミイラがいたとのこと。第一の厨子のレプリカは無いが、石棺以外6つの棺が一列に並んで展示されている様子は圧巻で「おぅ~」と思わず声をあげてしまった。おそらくエジプトに行ってもこのように見ることはできないだろう。金ピカ厨子たちは、ただ金で光っているだけでなく神々やヒエログリフがびっしりと描かれてレリーフも見事だ。この合計8重の棺を狭い玄室にどうやって収めたのか、またハワード・カーターはどうやって解体して出したのか想像できない。
展示会場にはあまりキャプションは無いが、同館の別の会場で「神秘のミステリー!文明の謎に迫る 古代エジプトの教科書」展が開かれており、事前知識がなくても基本的なことを学ぶことができる。教科書展を見てからツタンカーメン展に行ってもよいし、行ったり来たりしても良いかもしれない。クイズもあり、友達と知恵を出し合いながら答えを見つけたりして結構楽しんでしまった。
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- micco3216さん