アンティーク着物の魅力再発見! 「大正の夢 秘密の銘仙ものがたり」展
弥生美術館|東京都
開催期間: ~
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華やかな時代を映す銘仙というファッションに胸が躍りました
楽しみにしていた「大正の夢 秘密の銘仙ものがたり」展。
拝見して、ファッションは時代を映す鏡といいますが、銘仙ほど顕著に時代を映すものはないのではないか、という感想を持ちました。
それくらい、銘仙着物という約100年前に生まれたばかりのファッションが、柔軟に時代を反映し、女性たちとともに発展しながら彼女たちの願いや思いをのせて栄えていったということをこの展示から感じることができたからです。
時代の流れや世界と日本の文化の潮流、政治の移り変わりを銘仙がどのように写し取っいったのかということが、美しいコーディネートと愛ある説明とともに展示されており、非常に楽しくわかりやすく、心が躍り学ぶことができる素晴らしい展示でした。
西洋文化が入ってきたばかりの頃の華やかな西洋モチーフ柄、英国女王の戴冠式の柄、アールデコな意匠から南国への集団移住があった時代に流行った南国モチーフ柄など… こんなに華やかで楽しく自由で美しい着物の柄があったなんて!と驚き憧れ失った悲しさが去来し… 感情が忙しかったです。
少女たちが女学校で着るために生まれた可愛らしい柄から、徐々にその少女たちが社会に出て職業婦人となり身に纏うようになった洗練されたしとやかでおしゃれな幾何学柄の着物まで、時代だけでなく当時の女性たちの花開く様子を見守るような感慨深さがありました。
やがて戦争の気配とともに時代が華やかさを失い、時代の変化とともに私たちの生活から姿を消してしまった銘仙着物という素晴らしい文化。
今回このような形で拝見することができてうれしく思います。
貴重なコレクションを展示してくださった銘仙蒐集家の桐生正子氏、コーディネーターの大野らふ氏に心より感謝申し上げます。見に行ってよかったです!