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【特別展】古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン

【特別展】古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン

国立国際美術館|大阪府

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子どもの頃の好奇心がうずく

古代メキシコ文明、特にマヤ文明といえば子どもの頃、好奇心の的でした。。
森に囲まれたピラミッド、宇宙船のコックピットを彷彿させる石棺、そして翡翠のマスク。
UFOなどと同じく失われた超古代文明都市への想いを友人たちとずっと話をしていた思い出があります。

これらはみな、パレンケにあるパカル大王の王墓のものであるらしい。
そして、今回はこのパカル大王の妃である通称「赤の女王」が初来日しているという。
日本画でもよく使われる辰砂(丹)によって覆われ埋葬されたためにその名がついたという。
大王同様、モザイクによる精密な仮面がかぶせられいるが、大王の翡翠に対し、女王は孔雀石(マカライト)で出来ています。
しかし、素材の違いなどは問題にならないくらい素晴らしい出来で念願のマスクを目の当たりした想いで感慨深いものがありました。
発見当時はすでにバラバラになっていたものを復元したとか。それもまたすごいと思います。

ユカタン半島で発展を遂げたマヤ文明と同じくメキシコ中央高原で栄えていたテオティワカン文明。
紀元前1200頃からおよそ3000年続いたマヤ文明に比べれば短命ですが、紀元前1世紀から紀元後6世紀まで続いた文明です。
ここは太陽のピラミッド、月のピラミッド、そして羽毛の蛇のピラミッドの3大ピラミッドで有名。
今回はそれぞれのピラミッドから小品から大品まで出展されていました。

圧巻なのは『死のディスク』。太陽のピラミッドの正面から出土され、死せる太陽つまり日没の太陽を象っているのだとか。
太陽は日没と共に死に、夜明けとともに再生する。この考えはエジプトと同じ。またピラミッドという点でも共通点豊富。
離れていても考えることは同じ・・人種は違えど人間はすべて同族なんだと、今戦っている国々に対し、このどくろは下を出してからかっている・・と思うのは揶揄しすぎでしょうか。

もう一つの文明がテオティワカンの流れをくむアステカ文明。そのためテオティワカン時代の仮面にアステカ時代の耳飾りがセットになった出土物などもあり、歴史を感じずにはいられません。
この時代のメインは鷲の戦士立像。アステカにとって鷲は建国に関わる重要な意味を持つ鳥。メキシコの国旗にも描かれている国鳥です。
鷲の戦士は王直属のエリート軍人。そのためかとても精悍な雰囲気を持っており、全長170センチという大きなつくりで臨場感にあふれています。

他にも羽毛の蛇のピラミッドを飾る羽毛の蛇(ククルカンやケツァルコアトルに相当するテオティワカンの伝説上の羽の生えた蛇)の石彫、マヤ文字(特に数字)の紹介など、謎に満ちたメソアメリカ古代文明の全容を窺い知ることができるいい機会にめぐまれました。

失われた超文明・・少年の頃の夢を覆すことなく、過去に実存した古代王国息吹を目の当たりにして、改めて好奇心がうずきます。

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