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橋本関雪生誕140年 KANSETSU ー入神の技・非凡の画ー

橋本関雪生誕140年 KANSETSU ー入神の技・非凡の画ー

嵯峨嵐山文華館|京都府

開催期間:

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三館めぐり 其弐、其参

橋本関雪生誕140周年記念展、福田美術館に続いて嵯峨嵐山文華館へ。福田美を出て100m西へ進むと館はある。
受付で二館共通券見せれば当館入館券をくれ、券のQRコードを展示室入り口でタッチするとバーが開いて入れる仕組み。

当館展示室は福田美同様、1階と2階あるも、展示数は福田美が約40点に対し、ここは30点弱。
それでも、橋本関雪の名品の質で量をカバーしている。
軸装では《人物山水十二題》が良い。人物も風景も中国に何度も渡航した関雪の筆が冴える連作だ。

当館に来て驚くのは二階の展示室だ。靴を脱いで入れば畳の大広間で、まるで柔道場が三面ぐらいは取れようかという広さ。
その周囲に作品が展示してあって、当館展での後期の目玉である六曲一双の屏風《閑適》が悠然と立っている。
畳に座すもよし、寝転ぶもよし。関雪の大作を各自お好きな姿勢でご覧ください。

面白いのは関雪作の大津絵。
おなじみのモチーフ「鬼の念仏」を関雪が描くとこうも格調高くなるのかと、唸ってしまう。

当館での展示はほとんどが白沙村荘からの出品で、なかなかこれだけの数が揃うのは滅多にない機会だろうから、福田美に行かれたら是非当館へも足を運んでほしい。

さて、関雪展三館めぐりは、最終章へ。嵐山から再び嵐電に乗り北野白梅町で市バスに乗り換えて銀閣寺へ。
銀閣寺道バス停で降りて、銀閣寺方向へ200mくらい歩くと白沙村荘がある。
ここは関雪の自宅だった建物で、併設の記念館で作品が展示してある。

入館料は1500円で、福田美、嵯峨美の半券見せれば100円引きとなる。
入ってまずは庭とお屋敷を拝見の後、記念館へ。当館での展示数は三館で最も少なく20点。
しかし、本企画展の最大の目玉である《後醍醐帝》の後期展示があるのは当館だ。
この作品を見るのは福田美開館記念展以来二回目。約100年未公開だったという作品で福田美が入手したものだ。
御所を脱出する後醍醐天皇と臣下たちを描いた大傑作は何度見ても素晴らしい。
同じ六曲一双の大屏風《寒山拾得》も必見だ。

戦争画もあった。《十二月八日の黄浦江上》で、真珠湾攻撃と同日時に上海港の英艦を撃沈した図。
他作品に比してあまり乗り気でなかったかのような筆致だと感じるのは気のせいか。

関雪生誕140年記念展、駆け足でめぐったが最後を当館にしてよかったとの思いはある。
実は私は学生時代を、白沙村荘の近くで過ごした。当時はその名前は知っててもどういう建物かは全く知らなかった。
教授に「関雪さんのお宅の近くに住んでるんやな。」と言われても、それが誰かもわからなかった。
それから数十年、やっと来ることできて大感激だった。
1回だけ行ったことのある隣のイタリアン店も健在で、高くてちょっとしかないスパゲッティを食べたのを懐かしく思い出した。

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