特別展 国宝・燕子花図屏風 -光琳の生きた時代 1658~1716-
根津美術館|東京都
開催期間: ~
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ふたつの燕子花、素晴らしい美術体験
天気の良い平日に根津美術館に伺いました。
目的は、この時期だけ限定公開されている国宝・『燕子花図屏風』を鑑賞するためです。
本やメディアなどで一度は見たことがある、言わずと知れた尾形光琳の『燕子花図屏風』ですが、本物を見るのは初めてで、貴重な経験となりました。大胆な筆使いと構図、美しい色彩、見る角度を変えると印象が変わることなど、鑑賞していると沢山の楽しさがありました。今とは生活風習の異なる、はるか昔に描かれたとは思えない程洗練されていて、豊かで、新しさを感じる作品で、とても心が動かされました。
燕子花図屏風以外にも、喜多川相説の『四季草花図屏風』、尾形光琳の『夏草図屏風』など、燕子花図屏風と並んでも引けを取らない国宝級の素晴らしい大作が展示されていて、このコーナーだけでも大変充実した展示内容でした。
受付でいただいた目録に、『伊勢参宮道中図屏風』の詳しい説明があり、この展示のテーマである「光琳の生きた時代」の市井の人々の楽しみや遊興、暮らしぶりが絵を通して楽しく学べたこともありがたかったです。また、この時代の人々の身近な芸術である、大津絵が展示されていたのも大変興味深かったです。欲を言えば、風刺画なのでどんな意味があるのかキャプションで説明があるともっと楽しめるのにと思いました。
また、別の展示室の『古代中国の青銅器』の鏡や、『初夏の茶の湯』の涼やかなコレクションの数々、『唐物』の景徳鎮窯の素晴らしい陶器達ーー特に、名前を忘れましたがアップルグリーンの美しい色合いの作品がとても印象深かったです。どの展示室も見応えがありました。
そして、何といってもお庭の素晴らしさたるや…!!広い広い園内には藤や蘭や躑躅が咲き乱れ、滝から流れた水は小川から池に流れ、苔むす地面に落ちる葉の一葉が美しく感じました。
そしてなんといっても、この日のメインテーマであった本物の燕子花が咲き誇る様に感動しました。光琳の描く燕子花と本物の燕子花、ふたつの燕子花を一度に見られた事が、とてもとても贅沢な美術体験となりました。
園内の至る所に配置された石像や車輪などの美術品も、自然と融合し新たな輝きを放つ作品となっていました。
根津美術館の庭園がこんなにも素敵だとは知らずに行ったので、大変喜ばしく感動しきりの1日でした。いつか庭園内の茶室にも伺いたいです。