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森美術館開館20周年記念展 ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会

森美術館開館20周年記念展 ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会

森美術館|東京都

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教室へ、再び。

離れて久しい義務教育の教室が懐かしい人にも、習ったのは美術だか美学だかわからない人にもこのワールド・クラスルームをおすすめします。安心してください。成績評価のない教室です。
 私は、チョーク&トークの教室が嫌いで学校をやめました。でも、2枚のアクリル板に挟まれた移動式の黒板に何か走り書きされているものが「作品」になっているのは、すごいなと思います。やっぱり現代アートってわかりません。
「社会」は写真から始まっていました。人影がない外国の街並みや緑豊かな農村風景。写っている植物から気候や緯度を推測したり、建物や看板、自動車からその国の豊かさや宗教、風俗を読み取るように教えられてきたので、自分なりに考えて見ました。
 さて、答あわせをしようと作品に添えられたカードを読むと、私の読みは大外れ。
 かつて多くの人が処刑されたり、爆弾が落とされたりしたところ。
 私はリアルタイムでその報道に接していたはずですが、覚えていません。ここに来なければ、忘れたまんまで人生を終えていたでしょう。
 学校の先生、見てという人(アーティスト)と見る人(私)による協働的な学びのスタートです!
 VUCAとか何とかに対応できる人材を育てるための主体的・対話的で深い学びがここにあります。
 ぜひ来てください。現代アートの分からなさに、不穏な気持ちになれます。
 新川帆立はその著書「帆立の詫び状 てんやわんや編」でこう書いています。
『「分からない」という状況はとてもストレスフルである。分からないものに触れると、自分の感性や理解力が足りないような気がして自己肯定感が下がる。』
 生徒たちの、教室でのもやもやを体験できる絶好の機会です。
 映像のインスタレーション作品が多いので、普通の展覧会よりも時間に余裕を持ってきたらいいと思います。私は、2時間で脳みそと体力の限界が来たので、また出直します。この歳になって教室に戻ろうとは思いもよりませんでした。
 魅力的で、わからない現代アートの展覧会です。

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micco3216さん

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