特別展「東福寺」
東京国立博物館|東京都
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絵、書、彫刻、寺院の歴史に日本の中世美術史が見れる
展示はまず東福寺の開山から始まる。当寺の開山・円爾こと聖一国師関連の書画が第1章として展示されている。円爾の頂相は何幅も展示されており、比較しても面白い。以降、円爾の師・無準師範やパトロンでもある九条道家に関する展示が続く。ここでは特に、宋時代の袈裟があり、この網目をつぶさに見てもらいたい。
次の展示室では円爾の法統、いわゆる聖一派の僧に関する展示となり、禅宗の色が濃い展示となっている。
次に、いよいよ絵仏師・明朝の作品群がお目見えする。もちろんテーマは仏教的なものであるが、迫力があり、絵としてだけでも楽しめる内容である。特に五百羅漢図は、期間によって明兆作は15幅も展示されており、これを全て鑑賞するだけでもかなりの見応えがある。他にも白衣観音図や三十三観音図はおすすめしたい。この後、雪舟らにつながる日本禅画の基礎を作ったとも言えよう明兆が、いかに中国宋時代の絵画を日本に取り入れていったのか刮目してほしい。
その後も禅宗に関する書画が続くが、その中では、無準師範と張即之の「禅院額字」が見逃せない。これほどの張即之の作品を一度に見れる機会はそうはない。
最後の展示室では彫刻の展示がある。それが意外にも鎌倉彫刻が多い。中でも巨像でもある金剛力士像の迫力は傑出している。また慶派の作と思われる作品も多く、躍動感と生命力みなぎる作風となっている。
現在、当寺では大涅槃図の御開帳が行われており、その紹介もなされていた。次の機会はいつになるか不明だが、是非京都に足を運んで鑑賞したいという思いになる。
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