
ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展
国立国際美術館|大阪府
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お好みなのはどの画家?どのピカソ?
私はピカソが苦手だ。というよりあまりよさがわからない。
確かにキュビズムの先駆者としての功績も大きいし、生前より成功をほしいままにした天才であることはわかる。
また、一般的な画風とは異なる、実に緻密な素描は称賛に値し、だからこそピカソの絵には価値があるんだと思う。
というのが、若いころの私の感想でした。
最近は少し、わかってきたのかなーと思いながら今回の展示会へ。
ピカソ、クレー、マティス、ジャコメッティの4大巨匠と言いながらも、ピカソがやはり多く次いでクレー。マティスとジャコメッティは参考展示程度です。
とはいえ、色彩の魔術といわれるマティスのデザイン作品や『室内、エトルタ』や『ニースのアトリエ』といった色鮮やかな油彩画。ジャコメッティの『広場II』や『ヤナイハラI』を見るとうれしくなります。
さて、ピカソ。青青の時代の肖像画、薔薇の時代のアルルカン。アフリカ彫刻の時代の『アビニヨンの娘たち(習作)』、分析的キュビズムの時代の『マ・ジョリ』・・・
様々な時代のピカソが並びます。
私は薔薇の時代~分析的キュビズムまでが好きかな。特に具象とも抽象ともつかない分析的キュビズムには心惹かれるものがありました。
しかし、ながらその上を行くのがパウル・クレー。彼の作品をじっくりと堪能したのは実は初めてなのですが、彼の色彩感覚は本当に好きです。
もともと『忘れっぽい天使』のような線描には興味があったのですが、本展示会を見てすっかりクレーのファンになりました。
何より絵の題材と色の使い方がマッチしすぎている。マティスが「色彩の魔術師」ならクレーはさながら「色彩と線の音楽家」。曲調に合わせて楽器を選ぶように、色彩と画材を選んでいるような気がします。
なんだか私の現代アートに関する好みを自己分析できたようで、そういう意味でもいい展示会に出会えたと思います。
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