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特別展アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界ー

特別展アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界ー

森アーツセンターギャラリー|東京都

開催期間:

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アリスという文化を体験

アリスと言えばディズニーのイメージが強く、またロリータファッションなどにも取り入れられているため、可愛らしいという印象だった。
しかし、原作の物語を読めばわかる通り、可愛いというよりは「へんてこりん」な世界であることを再認識。
また、ここまで「アリス」が浸透したのは、アリスのほか奇妙な登場人物たちが魅力的で、かつ部外者が好きなように創作しやすいコンテンツだったということを認識する展示だった。

1.アリスの誕生
ジョン・テニエルの習作やキャロルの考えたデザイン・レイアウトが多々展示。
今回、「へんてこりんな世界」を堪能するために、あらためて「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」を読んでから行ったが、物語をさらっておいてよかったと思う。

2.映画になったアリス
子どもの頃に、「不思議の国のアリス」の映画を見て怖かったことを思い出した。
奇妙な赤ちゃんを抱く公爵夫人やパイプをふかすイモムシなど、可愛らしいというよりへんてこりんで不安な気持ちで見ていた。
私が見たことのある映画以外にも、たくさん映画化されている。
「スペインの不思議の国のアリス」など原作からほど遠いところにあるアリス映画なのではと思う。
ティム・バートンのアリス・イン・ワンダーランドのキャラクターデザインは見ていてわくわくした。

3.新たなアリス像
ダリも挿絵を描いていたのか!と驚いた。
ここに展示されている「白い駒だけのチェス盤」(オノ・ヨーコ)は面白い発想だと思った。ゲームを進めると、どちらの駒かがわからなくなる。
車やギネス、トマトジュースや冷蔵庫の広告にもアリスが使われていて、アリスは使い勝手の良いコンテンツなんだなと感じた。

4.舞台になったアリス
政治批判やプロパガンダにもアリスが使われていて、奇妙な登場人物はもちろん、「〇〇の国のアリス」というタイトルも使いやすいのだと思った。
不思議な登場人物やお茶会などの設定は舞台にしたときに映えるので、クリエイター魂が燃えるのだろうなあと単純に思う。

5.アリスになる
アリスにインスパイアされた衣装たちは見ているだけでわくわくする。
平日限定だが、アリスにまつわるものを身に着けて入場するとノベルティがもらえるため、「アリスになる」をちょっと体験している人々も。
お着物にトランプ柄の小物の女性や水色ワンピースの女性など、来場者も素敵だった。(男性来場者も少なくなかった。)
「アリスの世界に迷い込む体験型展覧会」というだけあって、大きさがおかしく映る鏡や映像の動くお茶会テーブルなど展示の工夫も。
アリスを装って、体験したり写真を撮ったりするのも楽しみ方の一つだと思う。

グッズショップ
グッズの種類が豊富で迷う。
ジョン・テニエルのイラストのケーキ皿やカップはひとつひとつ表情があって、手に取る人はじっくりと選んでいた。
ラズベリージャム、ミルクジャムの瓶が可愛く、中のジャムの色合いとマッチしていて気に入った。
使い終わったら小物を入れようと思い購入したが、ジャム自体の味もよくてよかった。

あらためてアリスというコンテンツについてまとめて見られる展示で興味深かった。
アリスのような巨大な文化を築くのは、なかなか狙っても難しいと思う。
原作アリスの魅力だけでなく、その後の二次創作も魅力的で、自由に自分たちのアリスを表現するのにちょうどよかったのだろう。
自分なりのアリスを体験できるよい機会だった。

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