没後40年 黒田辰秋展 ―山本爲三郎コレクションより
アサヒグループ大山崎山荘美術館|京都府
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雨も似合う大山崎山荘と黒田辰秋展
祝日明けの冷たい小雨もようの日でしたが、山荘までの小径の木々の枝先と庭の水仙に、近づいた春を少しだけ感じながら、久しぶりにこの大山崎山荘美術館を訪ねました。”黒田辰秋”の名前は知ってはいましたが、実際に作品を鑑賞するのははじめてでした。実際に、作品を目の前にすると、そのシンプルで力強い造形に感銘を受けました。食卓と椅子、照明器具、飾り箱、飾り棚など大きい作品や小さな作品を眺めていくにつれて、重厚で存在感がありながら、使う側への細かな配慮を感じる日常使いの調度品はとてもすばらしいものでした。日本の伝統工芸の質の高さをあらためて感じることができました。この日は、外国の方もグループで来られていて、黒田辰秋の作品をどう感じていらっしゃるのか?興味がありました。北欧のインテリアデザインなどは世界的にも評価されていますが、我が国の工芸の文化はもっと評価されてよいと思います。絵画や彫刻など今のファインアートの技巧や意識、コンセプトなどは、やはり工芸に根差しているのではないかと感じました。”用の美”で知られる民芸運動ー河井寛次郎や柳宗悦らとの交流も展示から読み取ることができ、学芸員の方のこの企画展のコンセプトがよく行き届いていて、鑑賞しやすい展覧会でした。作品の拭きうるしの色合いと大山崎山荘美術館の雰囲気の組み合わは、あまりにも自然に溶け込んでいて、やはりココでないと味わえなかったのではないかと感じました。
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