こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界
世田谷美術館|東京都
開催期間: ~
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こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界
いつの頃からか『こぐまちゃんとしろくまちゃん』の絵本のあの独特な色合いは身近にあったのに、子育て中も隣にいた気がするのに、たくさんの初めてエピソードがあった。時代とともに小さなマイナーチェンジがあったこと、読者からのお手紙で絵が描きかえられたこと原画を見て知った。【わかやまけんさん】は仲間とまるで子どものようにわいわいと絵本を作っていたのでは?と思わせるエピソードや、子育てで感じたことをたくさんかきこんでいる事、子育てお父さんのパワーを感じた。
あの絵を見るだけで甘く香ばしい香りが口いっぱいに広がる。幼児の生活を丁寧に描いた他の作品、痛い痛いと泣く様子、子育てをしていた頃の空気がよみがえってきた。私も絵を描いてみたいな、描けそうだな、そう思わせてしまう不思議な力がある絵本だ。
さらに驚くのが【わかやまけんさん】の画法の幅広さだ。『保育の友』のまるでメルヘンのようなふんわりタッチ、『おばけのどろんどろん』の習字のようなおたまじゃくしたち。
6色刷りの職人の技をDVDで見ていた人達から自然と拍手が湧き上がった。
あんなふうに作られているのだとついついまた絵本を細かく見た。
初めて知った作品もあった。『きつねやまのよめいり』は環境破壊がテーマのお話だった。読後になんとも悲しい気持ちが止まらない。サスティナブルだ、持続可能だ、将来に繋げよう、などと声高に叫ぶ現代を【わかやまけんさん】はどのように描くのだろう。
絵を描いてみたいな、描けそうだな、そんな気持ちが溢れる今回の展覧会でした。
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- BY YoukiTotsuka