特別陳列 所蔵名品撰 ―和泉市久保惣記念美術館の国宝・重文―
和泉市久保惣記念美術館|大阪府
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枯木鳴鵙図を見に
枯木の細枝の先に止まったモズ一羽。
鋭い眼光は何を狙っているのか。
枝はしなやかに伸び、モズは微動だにせず。
まさに極限の静寂と緊張感がが画面から伝わって来る。
次の瞬間、モズは獲物を一撃必殺で仕留めにかかる。
なぜなら枝の中ほどを一匹の芋虫が登っているからだ。
静から動への電撃的な移行は見る者の想像でしかない。
しかしそれを静止画で表現する技はまさに剣豪の極意か。
本当に素晴らしい絵だ。
この宮本武蔵筆「枯木鳴鵙図」(こぼくめいげきずと読む。鵙はモズのこと)があるのは、和泉市久保惣記念美術館。
ただ今、開館40周年記念の所蔵名品撰を開催中で、その最初の会期にモズが登場だ。
この展覧会のサブタイトルが「和泉市久保惣記念美術館の国宝・重要文化財」だから、コレクションの中でも特に優れた作品を選りすぐって公開している。
当館の目玉である国宝二点「青磁 鳳凰耳花生 銘万声」と「歌仙歌合」を始め、重文も多数展示。
陶磁器、墨蹟、墨画、絵巻物と当館コレクションを味わうにはまたとない絶好の機会と言える。
会期は前期が5月8日まで、後期が5月10日~6月5日。
夏にはこれも当館コレクションの主力をなす浮世絵オールスター展と続き、秋には西宮大谷記念美術館との交換展もある。
和泉市ってどこ? なんてかたも当館HP見ればアクセスにはそれほど難儀しないのがわかる。GWには臨時バスも出るみたい。
建物も庭も美しいので、これからの時期、遠路出かける価値はあり。
交通費かかっても入館料600円なのでリカバリー可です。
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