鑑賞レポート一覧

「みみをすますように 酒井駒子」展

「みみをすますように 酒井駒子」展

兵庫県立美術館 ギャラリー棟3階 ギャラリー|兵庫県

開催期間:

  • VIEW1463
  • THANKS4

静謐 念願の酒井駒子展

 兵庫出身の絵本作家、酒井駒子さんの絵本原画展「みみをすます」が、やっと兵庫にお見えした!ああ、この日をどんなに待ち侘びたであろうか。
 絵本で、書籍で、酒井駒子さんの魅力は充分伝えてもらった。私が酒井駒子さんの作品の魅力にハマったのも「絵本」だったから。それでも、「原画」の魅力には太刀打ちできない。
 更に今回、すばらしいと感動したのは、その展示方法にある。
 京都在住の外国人建築家の手によるものらしいが、酒井駒子さんの作品の魅力を余すところなく伝えている。というか、酒井駒子さんの魅力を展示形態によって更に更に数段バージョンアップさせているのだ。美術館ならではの見事な手法である。
 「『よるくま』の部屋」とよぶべきスペース。闇の黒と夜空の黄をこう再現してくれたか! 黒い椅子に座り、それこそ顔を近づける様に「よるくま」のかわいらしさとファンタジーな空間を堪能した。
 「まばたき」の三つ編みの少女が老婆に変わっても、かわいらしさは少しも変わらない。長い時の流れを一瞬で表現する。
 反対に猫が獲物を狙う「一瞬の時の流れ」を短い言葉と3枚の絵で見事に表現する。大小3つの白木の台を観察者自らが回転しながら確かめる。時の流れを原画と短いオノマトペで「展示」しているのだ。感嘆。
 所々に酒井駒子さんが大切に所蔵しているおもちゃや靴が、アクセントの様に展示されている。
 酒井駒子ワールドにたっぷり浸れ、至福の時を過ごせる兵庫県立美術館。
 実は兵庫県立美術館は今年、開館20周年。奇しくも私が勤務する洲本市立五色図書館(愛称えるる五色)も開館20周年を迎えた。
 阪神淡路大震災で、多大な被害を受けた神戸と淡路。人々の心を癒し、励まし、前を向いて進む糧となる様にアートや本の力を借りようと建設された文化施設2館。
 共に20周年を迎えた両館が、酒井駒子さんの絵の魅了を余すことなく伝えることで「コロナ禍」を乗り越える力が湧き出てくると思う。
 現に、ひとり美術館を訪れた私は、誰とも会わず、誰とも喋らず、ひたすら心の中で酒井駒子作品と対話をし続けていた。
 ひとり、「心の中で」感嘆の叫びをあげ続けていた。
 癒しと優しさとカタルシス。
 酒井駒子展は最高に至福な時間を与えてくれる。美術館はひとりで行くに限る。
 あっぱれ、兵庫県立美術館、酒井駒子展。酒井駒子さんと作品に心から感謝。
 
 

THANKS!をクリックしたユーザー
かるび@主夫アートライターさん、Agneseさん、Audreyさん、他1人

鑑賞レポート一覧に戻る

こちらの機能は、会員登録(無料)後にご利用いただけます。

会員登録はこちらから
SIGN UP
ログインはこちらから
SIGN IN

※あなたの美術館鑑賞をアートアジェンダがサポートいたします。
詳しくはこちら

CLOSE

こちらの機能は、会員登録(無料)後にご利用いただけます。

会員登録はこちらから
SIGN UP
ログインはこちらから
SIGN IN

ログインせずに「いいね(THANKS!)」する場合は こちら

CLOSE


がマイページにクリップされました

CLOSE マイページクリップ一覧を見る


がお気に入りに登録されました

CLOSE マイページお気に入り一覧を見る


を訪問済みに移動しました

CLOSE マイページ訪問済みイベントを見る

CLOSE

name

参考になりました!をクリックしたユーザー 一覧
CLOSE