「みみをすますように 酒井駒子」展
兵庫県立美術館 ギャラリー棟3階 ギャラリー|兵庫県
開催期間: ~
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子どもにだけ見える世界を切り取った作品
子どもへのプレゼントでもらった絵本「よるくま」をきっかけに知った酒井駒子さんですが、知るほどに、くまの絵というより、人の絵。特に、少女や子どもの絵が多いのだと知りました。
そして、この展示会では、その繊細さ、表情、しぐさに目を釘付けにされました。
絵の下に書かれている、ストーリーや台詞を読むとさらに、酒井駒子さんの世界に引き込まれます。
子どもだけの時間。
子どもが感じてる空間。
子どもが見えてる世界。
大人からすると、少しドキリとするシーンを切り取っています。
大人になると見えなくなる世界、
子どもにだけ見える世界。
子どもはそのままを、したいように
生きているだけなのに、
酒井駒子さんの絵から、大人はドキリとする雰囲気を感じるのです。
おそらくそれは、
繊細なタッチや子どものリアルな表情のせいもありますが、多くの背景に黒を使い、明るい色を重ねることでの、その技法にあるのかもしれません。
子どもの他に、動物達もよく描かれています。
うさぎ。鳥。くま。
そして、ぬいぐるみ。
特に鳥はその表情からか、神秘的で秘密の雰囲気を醸し出していると思いました。
展示会でじっくりと絵を見ただけで、
忘れてしまった子どもの頃のあの感覚を、
思い出すことができると思いました。
展示スペースは木を多く使い、比較的明るくナチュラルな雰囲気でリズム良く展示されています。
作品のテーマによりフレームを変えて、
一つひとつの作品や絵の雰囲気を大切にされているなと思いました。
兵庫県立美術館という、海と山に囲まれたこのエリアで、静かに、ゆっくりと鑑賞できました。