綺羅(きら)めく京の明治美術―世界が驚いた帝室技芸員の神業
京都市京セラ美術館|京都府
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世界が驚いた明治時代!
タイトルにある「帝室技芸員」とは、「皇室により優れた美術工芸家を顕彰、保護するもので、明治23年(1890)〜昭和19年(1944)まで続いた制度」という。
展示室に記されていた「帝室技芸員の条件」ともいうべき内容が、とても心に響くものであり、そこには「人格や人間性においても人並みみ優れている必要があり、その志は高潔であるべきで対面を損する挙動がないことを求められた」と記されていた。現在の「人間国宝」とは、いろいろな意味で異なる気がする。
前置きが長くなったが、この展覧会では、明治期に美術⼯芸界を牽引した京都に関連する19名の作家による作品および制作の背景などを一同に紹介するものであった。
今回、最も印象に残っている作品は、竹内栖鳳《熊》であった。川端玉章《ナイアガラ瀑布図》、竹内栖鳳《散華》は、思っていたより小さい作品であったことに驚いた。
また、川端玉章《玩弄品行商》は、シカゴ万博出品作品。風車、人形、仮面、金魚、日の丸などを売る行商人の周りに子ども達が集まる様子が描かれている。金魚の売り方はじめ、とても魅力的な商品の陳列である。解説によると、売り物の「日の丸」は、大日本帝国憲法発布後の社会を反映と。
なかでも、並河靖之の繊細な七宝作品が一同に見られたことはとても嬉しかった。百聞は一見に如かずという言葉の通り、実物を目の当たりにすることの大切さを教えてくれる展覧会でもあった。