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綺羅(きら)めく京の明治美術―世界が驚いた帝室技芸員の神業

綺羅(きら)めく京の明治美術―世界が驚いた帝室技芸員の神業

京都市京セラ美術館|京都府

開催期間:

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京都ゆかりの明治初期の「帝室技芸員」その技量に改めて驚く。

京セラ美メンバーシップ向けギャラリートークに参加して、担当学芸員さんからお話を伺ってきました。
京都にある美術館のうち、京都国立博物館は近世まで、京都市京セラ美術館は近代以降を専門としています。この専門分野を分ける幕末から明治初期、ある意味エアポケットのような時代に焦点を当て、その技量が高く認められ「帝室技芸員」に選ばれた美術家のうち、京都ゆかりの19人の作品を展示しています。
「帝室技芸員」制度発足の背景は、本展「開催概要」ある通り、「美術の奨励に加え、明治維新によって幕府や諸藩の庇護を失い、窮地に立たされた画家や工芸家を救い、優れた技術を保存する目的がありました。」
京都画壇で言えば、竹内栖鳳や山元春挙の作品も展示されていますが、主となっているのは幸野楳嶺世代までです。
当然と言えば当然、私なんかが申し上げるのもおこがましいが、それでも改めてこの世代の日本画家は上手い!!
特に目を惹いたのが静嘉堂文庫所蔵の屏風です。望月玉泉《耶馬渓図屏風》と野口小蘋《春秋山水図屏風》。野口小蘋(1847-1917)帝室技芸員に選ばれた女性は上村松園とこの野口小蘋だけで、南画家 野口小蘋は女性初の帝室技芸員でした。松園もそうですが、そのしなやかで逞しい生き方を初めて知しりました。2019年に京都国立近代美術館で開催された「円山応挙から京都画壇へ」の時の冊子「はじめての近代日本画」に掲載されている「京都画壇 人物相関図」が参考になりました。展示会場にもこんな「京都画壇 人物相関図」があればもっと理解しやすかったかもです。
京都と言えば美術工芸、七宝の並河靖之はあまりにも有名ですが、デザイン、色彩、形どれもいつ見ても美しい並河の七宝は、現在も値が下がることなく取引されているらしいです。
刀装具の金工師であった加納夏雄が関わることになった明治期の鋳造貨幣のデザイン画と試作品に、明治以前の確かな技術が明治に生かされました。
京セラ美のfacebookには、19人の帝室技芸員について毎週金曜日と火曜日に、新しいエピソードが漫画で紹介されています。
前後期で絵画はかなりの作品が展示替になるようです。出品目録はお願いすれば頂けるようですが、展覧会HPから印刷も可能です。

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